自分を曲げなくても、周囲とうまくやっていけるなら
近藤弥生子<第二回>
「なんでそんなこと言うんだろう」
「この人は意地悪で言っているのかな」
働いていて、そう思わざるを得ないような言葉をかけられたことはないだろうか。
以前の私は、仕事の場でそうした言葉を投げかけられてモヤっとしても、終業後に飲みに行ってストレスを発散し、翌日からは何もなかったことにしてまた粛々と働く、そんな日々を過ごしていた。
そんな私の価値観が大きく変わったのは、台湾の前デジタル大臣オードリー・タンさんを取材する中で彼女の「EQ(心の知能指数)」の高さに触れたのがきっかけだ。
何十時間も一緒に過ごしてきたけれど、コロナ禍のような緊迫した場面でも、オードリーさんがイライラしているのを見たこ...