書家・中塚翠涛。二度とない出会いや心地よい空気から生まれる、軽やかな「書」
日本を代表する書家のひとり、中塚翠涛(なかつか・すいとう)さん。NHK大河ドラマ『麒麟がくる』の力強い題字が記憶に残っている人も多いだろう。そして中塚さんは、国内にとどまらず、フランスをはじめ諸外国でさまざまな「書」にまつわる作品を発表してきた。そのインスピレーションの源は、旅だという。
「軽やかな書を目指したい」という言葉のとおり、彼女の活動はさまざまな領域を超えてゆく。書とともに歩んできた人生を振り返り、旅と書、そして自身の生き方の関係についてもふれながら、彼女のまなざしを聞いた。
「書」って、じつはすごく奥が深いのかもしれない
――お兄さんの書道教室に同行したことをきっかけに、4歳...