仕事における「愛がなんだ」問題 岡田悠<最終回>
仕事には愛が有用だ。仕事では愛が厄介だ。
僕は「プロダクトマネージャー」という仕事をしており、会計ソフトなどの開発に携わっている。この仕事の業務範囲は、製品の企画から設計、時にはマーケティングからコーディングまで、多岐にわたる。だから「プロダクトマネージャーに大切なのは?」という問いがしばしば盛り上がりを見せる。そして多くの議論において、「結局、愛が大事だよね」という結論に落ち着く。
この文脈における「愛」とはなにか?
例えば、「請求書作成ソフト」をつくるとしよう。請求書に必要な項目を入力して、PDFに変換する。シンプルな要件に思えるが、実際につくってみると、そう簡単な話ではないことがわ...