不安定がいい。一瞬の発見が舞台を作る ドラマトゥルク・曽根千智さん
「私の生き方は不安定です」。そう口にする人の表情を想像してみる。下を向いているのではないだろうか?はたまた、涙をこぼしているのでは?
だが今、目の前にいるその人は、確かなまなざしでその言葉を紡ぎ「不安定なほうが、おもしろいものが見つかるんです」と微笑む。今回のミモザなひと、曽根千智さんだ。
ドラマトゥルク・演出家・リサーチャーなど、演劇に関わる様々な役割で活躍する彼女。ある時には自分が中心となり、またある時には他の作り手の傍らで活動を支える姿は、一見すると”演劇に魅せられてキャリアを歩んできた人”のよう。
しかし曽根さんは「演劇自体をやりたいわけではない。そのとき考えたいテーマを探求する...