「大事だけど意外と話題になってない」ことが、「タネ」になっている
三宅:大事にしているのは、「あんまり話題になってないけど、じつはみんな思っているんじゃない?」という視点ですね。友達とおしゃべりしたり、ネットで話題のニュースを見たり、SNSで人の反応を見たり……日常生活の中で、意外とそういうものが見つかることがあるので、見つけたらとりあえず本のアイデアとしてストックしておきます。
たとえば、最近気になっているタイトルは『なぜ夫は病院に行かないのか』。病院、行かれますか?(笑)
三宅:ですよね。でも男性って病院へ行かないわりに、整体とかにはめっちゃ詳しかったりするんですよ。男友達と話してても、「整体じゃなくて病院行きなよ」って(笑)
以前、女友達と話しているときにも「夫が病院行かなすぎて困る」みたいな話で盛り上がったことがあって。そこで「男性のほうが女性より病院に行かない傾向があるのでは」という疑問が浮かんでくる。そういえば少年漫画でも、『SLAM DUNK』も『あしたのジョー』もけがをしても病院に行かず、試合を続行して頑張っていますよね。関係や影響があるのかな……とか。こんな感じで「意外と大事なことなのに、あんまり話題になってないな」と思うと、それが本を書くアイデアにつながっていきます。
三宅:そうかもしれないですね。たとえば私が「60代向けに本を書いて」と言われたとしても、60代のクリティカルな悩みはなかなか捉えにくいです。同世代から、少し下の世代に向けたテーマのほうが私自身も書きやすいし、読者の方の共感も得やすいとは思います。実際今のテーマ設定はそうなっていますね。
やっぱり本を書く以上、読んでくれた方にとって何かプラスがあるようにしたいし、私の本を通じて社会が少しでもよい方向に向かってくれたらいいなと思っています。小説の読み方について解説する本だったら「小説を読む人が増えてほしい」とか、こうなってほしいという理想を常に頭の片隅においている感じです。