「海外経験あれこれ」で痛感した大切なこと  中川まろみ<第二回>
 「海外で働いていた」と話すと、ざっくりと「どうだった?」と感想を求められることが多い。そんなとき、いつも私は答えに詰まってしまう。海外で経験したことがあまりに多くて、それらを端的にギュウっとまとめて話すことが難しいからだ。
それでもあえて、ギュウゥ〜っと極限まで短くまとめるなら、「経験することの大切さを知った」というありきたりな言葉に行き着いてしまい、やっぱり何も伝わっていない気がする。そこで今回は、もう少し具体的に、海外に住んだ11年間の経験を、原稿用紙数ページくらいの文章に詰め込んでみようと思う。
その前に一点だけ、「働く」がテーマのエッセイにも関わらず、仕事の枠を超えた生活や考え方...