パワポは合意形成のツール。真の目的を見据えて動く

画像: ▲オフィスの会議室は、「ゲンゴカ」「ツメアト」「キントレ」「アソビバ」など、会社として大切にするバリュー(価値観)に関連している

▲オフィスの会議室は、「ゲンゴカ」「ツメアト」「キントレ」「アソビバ」など、会社として大切にするバリュー(価値観)に関連している

――そうして立ち上げたシリョサク株式会社では、どんな事業に取り組んできましたか?

トヨマネ:シリョサクは「資料作成代行」と「資料作成スキルの研修」を担う会社です。資料作成代行といっても、ただ「元資料の内容を見栄えよくデザインするだけ」ではありません。どんなターゲットにどんな態度変容を起こしたいかというゴールから逆算して「この論点がないと成立しません」「この情報は不要です」といったアドバイスをしながら、適切な資料作成をサポートしていきます。

対話を通して、クライアントが伝えたいことの言語化を支援する事業……といったほうがイメージしやすいかもしれません。

そんな姿勢でさまざまなお客さまと関わるうち、僕自身の“パワポに対する解像度”も上がってきました。パワポは「伝えたいことをわかりやすく伝える」とか「見やすいスライドで理解を促す」だけのツールじゃないんです。

――パワポって、本当は何のツールなのでしょうか……?

トヨマネ:パワポは「合意形成」をするためのツールだと考えています。

オフィスワーカーがヒト・モノ・カネを配分して何らかの価値を生み出し、対価を得るためには、チームを動かす“合意形成”が必要。でも、何もないところでその概念を共通理解するのは簡単ではありません。そんなとき、目に見える“資料”というツールがあれば、ぐっと話を進めやすくなる。逆に言えば、何もなくても合意形成できるのであれば、パワポは必要ありません。資料って、なくせるならなくしたいじゃないですか。

パワポの資料は、抽象と具体を行き来しながら物事を説明し、世界とつながるためのインタフェースであり、組織が最大の価値を生み出していくための道具だと思います。

だからこそ、わかりやすいパワポをつくるためのトレーニングプログラムを構築し、研修事業にもいっそう力を入れるようになりました。

――みずからの手で「ウケ」を生み出してきたトヨマネさんにとって、研修事業はやや毛色が違うようにも思いますが、どんなやりがいを感じていますか?

トヨマネ:受講者から「資料作成って面倒だったけど、次つくるのは楽しみです」「こうやってパワポをつくってみると、この商品売れる気がします」といった感想をいただくと、すごくうれしいですね。

成果は行動から生まれるし、行動は自信から生まれるものだから、「なんかイケそう」「なんか面白そう」というマインドを持つだけで成果への道が拓けると思う。僕らの仕事を通じてそのきっかけをつくれることに、やりがいを感じます。

――ただ、「資料作成」と聞くだけで拒否反応を示してしまう人も一定数いそうです。どんなマインドで向き合えば、資料づくりのハードルが下がりますか?
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トヨマネ:おすすめは「パクる」と「サボる」です!

真面目な人ほどゼロから自分でつくろうとするけれど、先人の知恵は存分に生かし、優れたテンプレートをパクってサボりましょう。目的は「パワポをつくること」ではなく「合意形成」なんだから、最短距離を選べばいいんです。

それから、資料作成という作業ではなく、その先に視線を移すこと。「この資料を通じてこうなったらうれしい」「自分のアウトプットでこんな動きを生みたい」といったゴールにフォーカスすれば、意識が前向きになるのではないでしょうか。

――とても本質的ですね。

トヨマネ:僕にとっての仕事は、誰かを喜ばせる価値を提供して、世界を広げていくことです。サントリー時代の上司から受け取った「目の前の人を喜ばせられない人にマーケティングを語る資格はない」という教えが、自分のコアになっていると思います。それが自分らしさでもあると思う。

画像2: パワポは合意形成のツール。真の目的を見据えて動く

たとえば、今日の取材もそうですよ。ミモザマガジンでトヨマネの記事を出してくださるにあたって、僕は何を話したらみんなに喜んでもらえるかなぁって考えてきました。どんな仕事もそういうマインドで取り組むと、いくらでも工夫の余地があるし、働くことがどんどん面白くなります。

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