やりたいことがあるなら、遠慮していてはもったいない。
「人の才能や能力を活かすこと」も持続可能な社会には欠かせないことだから

画像1: やりたいことがあるなら、遠慮していてはもったいない。 「人の才能や能力を活かすこと」も持続可能な社会には欠かせないことだから
――そしてもうひとつ、松沢さんは「働くママ」という顔も持っていますが、「働くママ」として大事にしていることはありますか?

松沢:「諦めないこと」です。多くのお母さんがいろんなことを諦めてきたんじゃないかと思いますが、私は、やりたいことを見つけたら、どうすれば実現できるのかを、まず考えるようにしてきました。

最近だとふたりの子どもを育てながら2年半大学院に通い、MBAを取得しました。最初は科目単位で学んでいたのですが、本格的にMBA課程に進む少し前に第2子の妊娠がわかったんです。最初は両立できるか不安でしたが、諦めたくなかったので、実際に子育てをしながら通った女性にお話を聞かせてもらいました。そしたら「最悪、授乳しながらオンラインで授業受ければいいよ」と言われて。「それならなんとかできるかも……」と思えてきたんです。それで夫にも相談しながら、踏み切りました。

もちろん挫折しそうになった瞬間もあります。子どもは体調を崩しやすく、急に熱を出したり、風邪を引いたりしますよね。そんなときでも仕事は待ってくれないじゃないですか。お客さまを困らせたくはないけど、すぐに代わりを立てられないときもある。多くの働く親御さんと同じように、プレッシャーやストレスを感じる場面は多いです。それでも夫と分担したり、地域のサポートを利用したりしながら、なんとかここまでやってこられました。大変ではありましたが、それ以上に「やればできる」という自信や、どんな状況でも道を切り拓けるという感覚を得ることができました。今では、この経験そのものが、私にとって大きな財産だと思っています。

――ここまで走り続けてこられた松沢さんから、同じような悩みを抱えながらも働くママたちにエールをいただけますか?

松沢:誰かの真似をする必要はないということをまずはお伝えしたいです。シチュエーションやキャパシティは個々で異なりますから。ただ、本当はやりたいことがあるのに、その気持ちを押さえ込んでしまっているとしたら、また別の話。家族や社会に遠慮してあきらめるのではなく、自分に合った実現可能な方法を探すこと、既存の仕組みを活用したり、ときには新たに仕組みをつくったりして進むこともできるとお伝えしたいです。

サステナビリティには「人の才能や能力を活かすこと」も含まれています。だから、私はそのための仕組み作りや発信もしていきたいですし、働くお母さんたちの環境が持続可能なものになるように頑張っていきたいとも考えています。

――最後に、松沢さんの今後の目標を教えてください。

松沢:あらゆる未利用の資源をみんなが幸せに活かすことができる、そんなサステナブルな社会への道を切り開くことが目標です。未利用の資源というのは物質的な資源でもありますし、先程言ったように、人のやる気や能力のことでもあります。世界から「もったいない」をなくしていきたいです。

そのためには、常に世の中の課題に問いを立てて向き合う。たとえ解決できなくても学びを得ることで、それが巡り巡って別の仕事に活きていく。自分の中でそういう循環を育てていけたらと思っています。

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画像: 世界からあらゆる「もったいない」をなくしたい。環境・サステナビリティコンサルタント 松沢優希さん

松沢優希

環境・サステナビリティコンサルタント。環境ソリューション企業と日系コンサルティングファームを経て、現職(外資系テクノロジー企業のコンサルティング部門)。国内外の環境関連制度の検討に資する調査業務、リサイクル関連団体の支援や、民間企業の環境戦略の策定支援、工場排出物の管理合理化コンサルティング、日本の優れた環境技術の海外展開支援等、多くのプロジェクトに従事。その傍らでNewsPicksのプロピッカーとして、環境・サステナビリティ領域の知見を発信。シンガポール人の夫との間に、ふたりの子どもを持つ。グロービス経営大学院MBA課程修了(上位5%成績優秀修了者)。

執筆:イガラシダイ 撮影:梶 礼哉

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