「応援したいしされたい」そんな輪を広げながら走る

『VERY』 2025年 5月号』/光文社
笹川:『VERY』ってまぶしく見えますよね、私もAD時代に読んでいたときはそう思っていました。でも、誌面には日常をファッションの力できらっとさせるページと、等身大のママや子育てのリアルに迫るページの2軸があると感じています。
私がカバーモデルに選ばれたのも、きっとその「等身大」な部分を評価していただけたから。歴代カバーモデルに並ぶと私はあまりにも“普通の人”すぎて、最初は「自分でいいの!?」って強くプレッシャーを感じていたんです。
でも、初めて表紙を務めた号で編集部がつくってくれたのは、私が毎日仕事と子育てに駆けずり回っているリアルな姿をとらえた企画。「ありのままの私を求めてくださっているんだ」とうれしかったし、余分な気負いが抜けました。

笹川:ひとつだけ気をつけているのは、一緒に働いている人たちと日々のコミュニケーションを丁寧に取ること。忙しいからこそ、コミュニケーションを怠ると、小さな勘違いやハレーションにつながりかねないと思うんです。「NewMe」でいえば、特に共同創業者の篠原とは週に数回、二人で話す時間を設けて、お互いの状況や社内のそれぞれの管轄について、今後の事業のことなどを、常に共有し合っています。
そうしたコミュニケーションの意識は、会社のほかのメンバーに対しても、さらには社外のさまざまなお仕事でご一緒する方々に対しても同じです。せっかくご縁があって一緒に働けるのだから、お互いに「サポートしたい」「一緒に頑張りたい」と思い合える状態を目指したい。そのためにも、お互いをよく知ることが大切ですから。
笹川:折れます! 毎日一回はポキッといってますよ(笑)。とくに事業運営のほうは初めてだからわからないことだらけで、しょっちゅう折れまくってます。
でも、30代のうちに生傷をつくりながら頑張るって決めたから起業したんです。だから、恥を捨てて向き合っているところですね。
笹川:家族の支えがあってこそ、です。夫はもちろん、子どものころから温かく見守ってくれる母や、仕事と理想の子育てを両立している大好きな姉、家族ぐるみで遊んでくれるママ友たちにも支えられて、うまく息抜きはできていると思います。
しかも、毎日忙しいおかげで、心が折れても落ち込むヒマがないんですよ。反省はするけど無駄にひきずらないで済むから、これくらい忙しいのが私にはちょうどいいのかもしれません。
とはいっても、今後はもう少し余裕のあるママでいたいですね。ここ数年はずっと携帯電話が手放せない……みたいな日々を過ごしてきたけれど、仕事と暮らしの自分らしいバランスを、もう少し探していけたらと思っています。


笹川友里
NewMe CCO。2013年新卒でTBSテレビに入社し情報制作二部で制作ADを経験。その後人事異動でアナウンサーに。8年在籍し独立。2023年NewMe株式会社を共同創業。自分の人生を自分でハンドリングし前向きに生きる女性を増やすべく、20代・30代のハイクラス女性向けの転職サービス"NewMe Jobs"や、メディア、キャリアイベントを開催。その他、表参道にて女性専用サウナSaunaTherapyを経営、TOKYOFMにてラジオパーソナリティ、ファッション誌VERYでの活動など。
執筆:菅原 さくら 撮影:梶 礼哉