稼ぐためと割り切って飛び込んだ金融業界で、“人の役に立つ金融”を知る

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――FMでの活動は継続しつつ、新卒以降は金融業界でキャリアを重ねていますよね。ラジオパーソナリティを本業にすることは考えなかったのですか?

DJ Nobby:できればそうしたかったです。でも、ラジオパーソナリティだけでは食べていけないという話を、一緒に番組を作っていた大人たちから聞いていました。生活ができないのは厳しいなと。

それで、しっかりお給料がもらえて、かつ“伝える”仕事はないかと考えて思いついたのがテレビ局のアナウンサーでした。就職活動は東京・大阪の主要局を受けましたが、結果は全滅。

――やりたい仕事に就くことが叶わない現実。当時のNobbyさんはどう受け止めましたか……?

DJ Nobby:一緒に就職試験を受けるライバルたちを見ていて「勝ち目がない」と感じたのが正直なところでしたね。みんなアナウンススクールに通って、専門的な技術をすでに持っていたり、試験課題の対策が万全な状態で挑んでいたりして、我流の自分とはあまりに差があって……。

だから仕事はお金を稼ぐためだけにやって、その傍らでパーソナリティを続けていこうと、路線を切り替えました。

――潔い方向転換!

DJ Nobby:方向転換後もなかなか厳しかったですよ。就職氷河期だったので、手あたり次第に100社はエントリーシートを送ったと記憶していますが、面接に進めたのは十数社でした。最終的には、内定をもらえた会社の中で一番しっかり稼げそうだからという理由でシティバンクへの就職を決めました。

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――「お金を稼ぐためだけに仕事をする」とは言いつつ、ご経歴をみると銀行・証券・保険と、何かこだわりを持ってキャリアを選択されてきたかのように見えます。

DJ Nobby:シティバンクから大手金融取引所へ、そして保険会社に行って……たしかに、金融業界の中でもこれだけ幅広く経験する人はあまりいないのかもしれません。僕としては「制覇するぞ」と思ってそうしたのではなくて、「金融業界にいられればいい」という気持ちと周囲の勧めに従った結果です。

外国為替の面白さを感じていたタイミングで大手金融取引所から外国為替商品の立ち上げで声をかけてもらったり、マネジメントにチャレンジしたい気持ちの時に管理職ポジションでお誘いいただいたり。僕が次のステップに行くときには、やっぱり人からの声がすごく大切なきっかけなんだなと思いますね。そうしていろいろな分野を経験する中で金融の意義も感じるようになりました。

――金融の意義を感じた経験、ぜひ伺いたいです。

DJ Nobby:「金融って人の役に立てるんだ」という実感を得たのは、プルデンシャル生命保険での経験ですね。僕自身は、営業の方々が主に法令に則った営業活動ができているかを確認するコンプライアンス部門で働いていたので、直接顧客と接する機会はありませんでした。でも社内の研修などで営業現場の話を聞く中で、顧客目線に立った保険金や給付金の具体的な支払事例を知り、「お金にはこんな使い道があるのか」と驚きました。それまで扱ってきた金融商品とは違っていたし、「想い」があるお金の使い道もあるんだなと。

――金融の意義を感じながらも、新卒時の決意を貫いて、会社員の傍らパーソナリティの活動を続けていたと伺いました。

DJ Nobby:そうです。東京で仕事をしながら、最低でも月に1回は関西に収録のために帰る生活を続けていました。でもなかなかリスナーが増えないなと感じていたのが正直なところで、30歳の節目を迎える頃、最後のチャレンジとして『DJ Nobby’sTokyo Live』という番組を始めました。僕にとって初めての、全国ネットの配信番組です。これが軌道に乗らないようであれば、実力なしと判断して諦めようと思っていました。

――パーソナリティとしてのキャリアを諦めようと思った瞬間が、Nobbyさんにもあったと。「これで最後にしよう」と思ったのはなぜですか?

DJ Nobby:30歳という年齢的な区切りもありましたし、29歳で娘が生まれたことも影響していました。子どもがいながら、本当にやりたいことを副業のかたちでふらふらやっているのはかっこ悪い気がして。

結果は……配信当初10局だったところから61局にまで広がりました。「全国で流してもらえる番組」を作ることができたわけです。でもスポンサーはついていなくて、「経済的に成立している番組」ではありませんでした。どうすれば番組を経済的に成り立たせることができるのか、当時の僕にはわからなかった。それを教えてくださったのが、音声配信サービス『Voicy』の社長でした。

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