応援してくれる人を信じたら、夢を阻む理不尽とも向き合えた
岩崎:思いついたところまではよかったのですが、私自身はインターナショナルスクールに通ったことがないし、教育の経験もないので何もわからない状態で……。まずは、全国のスクールに片っ端から研修依頼の電話をかけました。100件くらいかけたかも。門前払いばかりでしたが、きっと誰か助けてくれる人がいると信じて。
そしてついに、とあるスクールの保育士さんが「社長に繋ぎますね」と言ってくれた。すぐに電話があり、「どれぐらいの期間研修したいですか?泊まるところがなければ社宅を用意しますし、お金も要りません。若い子を応援したいから」と受け入れてくださったんです。
岩崎:本当にそうですよね。研修の内容はもちろんですが、こうした現場の空気に触れられたことが一番の学びでした。社内の風通しが良くて「これを言ったら怒られるかも」がない。私を社長に繋いでくださったのは保育士の方でしたが、そうやって一人の職員が代表に気軽に提案できるって素敵ですよね。私も、どんな小さなことでも相談し合い共有し合える会社をつくりたいと思いましたし、この思いは今スクールを運営する中でとても大事にしています。
岩崎:事業を始めたときは26歳。20代は特に、「若い女性」という見られ方で嫌な思いをしました。融資のために事業計画を出すと銀行の担当者からは「経営を甘く見ている」「大手スクールを参考にしろ」と言われました。私は既存のものじゃなくて、“今ここにないもの”を創ろうとしてるのに。
今でも、私と男性職員で社外の方との打ち合わせに参加すると、ずっと男性職員に向けて話されることもあります。まだまだ「女性だからかな」と感じる瞬間は多いですね。
岩崎:理不尽なことがある一方で、たとえば柴さんみたいに、「性別なんて関係ない、むしろ女性だから出来ることがある」と応援してくれる人たちがいるから、全然大丈夫。
もし私と同じように、やりたいことに対して横やりを入れられたら「自分は新しいことに挑戦しているんだ」「この人たちが思いもよらないことを思いついたんだ!」と思ってほしいです。方向転換させようとする人がいたら、その人にはない感性でやれている証拠ですよ。「言われたから直したほうがいいのかな……」なんて思わなくて大丈夫。それでも不安で誰かに相談したくなったら、同じように何か新しいことを創り出してきた人に相談するといいかもしれません。きっと「やめたほうがいいよ」ではなく、ポジティブな言葉で応援してくれますから。