なんでも面白がる目を持つ。面白いと思えないことはやらない

――落合さんほどお忙しい方が、どうやってその「興味のあることにどっぷり浸かってみる」時間やエネルギーを捻出されているんでしょうか?
落合:基本的に仕事が忙しすぎるので、好きなことをとことんやったり新しいことに挑戦してみたりする時間って、むしろ重要な「安らぎ」なんです。だから、それで時間が圧迫されることは苦になりません。そもそも、仕事で忙しいこともあまりストレスにはならないタイプです。
――それはどうしてですか? 自分で意思決定できる仕事が多いから、とか?
落合:確かに、自分で意思決定できない仕事はあまりやらないようにしていますね。でも、国のさまざまな委員会に参加しているときや、大学で学生さんに指導をしているときはそうでもない。たぶん、人といろんなことを話したり、なにか新しい発見があったりすれば大丈夫なんだと思います。
たとえば、大学で実習を見ているときなんて、自分は意思決定もものづくりもしないわけです。でも、ぶっ飛んだ学生の話を聞いているだけで結構楽しい。「君はどうしてこんなネタにたどり着いたんだい?」みたいな。新しい情報を得ている実感があれば、忙しくても楽しめます。

――誰もが意思決定できる立場の仕事を担えるわけではありませんが、「新しい発見を見つけて楽しむ」ことは、どんな立場の人にもできそうです。
落合:何事も面白がれるかどうかは、その人の心持ち次第ですからね。面白いものを見つけようと思って生きていれば、わりとどこにでも変なものが見つかります。自分が手を動かしてみることで解像度が上がって、そういう発見が増えたりもする。面白いと思えないことなら、むしろやらないほうがいいと考えています。
――でも、ビジネスパーソンとしてはそういうことをやらないといけないときもありますよね……? 落合さんは、好きになりきれない仕事のときはどうしているんですか。
落合:そういうときは、締切りを延ばしてもらいます。納得いく出来になるまでやりきります。得意じゃない領域とコラボレーションして、妥協までしちゃうと、作家としては本当にろくなことにならないので。だから、好きじゃないぶんめちゃくちゃ頑張ったら意外と面白い着地になった……みたいなことはたまにありますよ。
