世界経済フォーラムが発表する「ジェンダー・ギャップ指数2024」において、日本は146か国中118位。「女性活躍」が叫ばれて久しいものの、まだまだその言葉が世間において完全に実現されているとは言いにくい状況にあります。
そんななか、今回は昨年に引き続き「My Rules番外編」として、プルデンシャル生命の女性たちが全国から一堂に会する「Mimosa研修会」のレポートをお届け。同社には、約500名の女性ライフプランナー(営業職)・営業管理職が在籍しています。仕事一筋で頑張るひと、育児や介護を両立するひと、子どもが独立してもう一度決意新たに挑戦しているひと――。さまざまな女性たちがライフプランナーという人生を歩んでいます。
使命感を持って仕事と向き合う彼女たちの“リアル”の中に、私たちが前向きに生きていくためのヒントが隠れているのかもしれません。
研修会 1日目
改めて考えたい、「ここに集う意味」
「遠慮なく話しかけて、『相談できる人』を一人でも増やして帰ってください。ここにいる人達は全員、あなたの仲間です」――。
2024年のMimosa研修会は、長年プルデンシャルで女性活躍推進の先頭に立ってきた、長谷川尚子さんのこんな言葉で幕を開けました。
集まったのは、全国221名の女性ライフプランナーと女性営業管理職。そしてそんな彼女たちを採用し、育てる役目を担う男女の営業管理職のみなさんです。
今回集まった女性ライフプランナーは、半数以上が入社から2年以内の新人。あらかじめA~Cグループに振り分けられ、座席は必ずベテランと新人のライフプランナーが隣同士になるよう、工夫されています。
「緊張している?」「大丈夫、去年の研修会もすごく楽しかったから!」と、新人ライフプランナーを励ますベテランの声。対して、“レジェンド”と呼ばれる大先輩と隣り合った新人さんからは、「あの先輩とお話できるなんて……!」という嬉しい悲鳴も聞かれました。
オーダーメイドの人生に寄り添う、「ライフプランナー」の私たち
研修会の幕開けと共に始まったのは、外部講師:株式会社はぐくむ代表・小寺 毅さんによる講演です。テーマは「己を知る」。
プルデンシャルのライフプランナーは、目の前のお客さまと対話を重ね、将来の人生設計までお伺いした上で、その方に最適なオーダーメイドの生命保険を設計します。
そこで、「お客さまのことを深く知る前に、まずは自分のことを深く知ってみましょう」。そんな呼びかけから講演がスタートしました。
用意されたのは1枚の真っ白な紙。ここに、各自が自分のターニングポイントと人生の「山」と「谷」を書き込んでいきます。もちろん、誰ひとり同じ曲線はありません。
「振り返ると、改めて自分はこの時大変だったな、でもこのときがあったから今がある、なんて思えることがたくさんありませんか?『山と谷』は単純に浮き沈みにも見えますが、実はそれだけではない。自分は今後どんな人生を歩みたいのかを知るためにも、今日までの人生を振り返ることはとても重要なんです」と小寺さん。
自分自身を振り返ったあとは、それをアウトプット。隣り合った仲間に「自分のこれまでと、これから」について伝えます。ルールは、「聞き役の人は聞き役に徹する」こと。そして最後には、拍手と握手でお互いをたたえ合う。プルデンシャルが大切にしてきた文化がここにも表れています。
お互いの人生を知り、すっかり打ち解けた様子のみなさん。小寺さんが改めて伝えたかったのは「豊かなつながりがあること」の大切さだといいます。
小寺:病気で1か月入院することになった方を対象とした研究で、「2回以上お見舞いに来てくれる友人が多ければ多いほど、存命率が高い」というデータがあります。つまり、人とのつながりや居場所があることが、生きていくための力になるということです。今日この場で、みなさんにもそのつながりをたくさん作ってもらいたいし、お客さまにとってはみなさんがその“つながる相手”であってほしいと思います。
つまりこの研修は、自分たちがお客さまにとってどのような存在なのか、改めて感じる機会になったということ。講演の合間に、今回小寺さんに講演を打診したという谷文暁さんのお話を聞くことができました。
谷:実は僕と小寺さんは大学の同期。一緒に授業を受けていた間柄です。彼が企業向けの研修などで活躍していることを知り、縁が復活。今では僕の営業所の運営にも関わってもらっている同志でもあり、「これからは女性がもっと活躍する時代だよね」と話したことが今回の講演のきっかけになりました。
谷:参加しているライフプランナーは、普段たくさんの方々とお会いしますが、ほとんどはお話を「聞く」側です。ですから、意外と自分のことを思う存分話すのは照れ臭い人もいるでしょう。でも、みなさんイキイキとした表情をしていましたね!やはり女性は相手との距離をつめるのが上手だなと感じました。
普段、僕たちにいろいろなお話をしてくださるお客さまの気持ちもよく分かったと思います。「人とつながることが豊かさ」であり、「我々がお客さまにとってその相手の一人である」ということを感じてもらえたら嬉しいです。
お客さまと向き合うことで、自分の「存在価値」がみつかった
続いては、「引き継ぎのお客さま」について考えるコーナー。ここでは岡山の支社に所属する山口美鈴さんが登壇しました。聞き手は同支社の岡崎まさみさんです。
山口さんは今年で20年目の大ベテラン。「とても緊張するけれど、楽しく聞いてくださいね」と、話し出したのはライフプランナーとしての紆余曲折、そして今思うことについて。時折冗談を交えながらも、真剣に仲間に語りかける山口さんのお話に参加者も引き込まれます。
「お客さまのそばに寄り添い続ける」ことを使命とするライフプランナー。しかし、すべてのお客さまに対して、“最期”まで伴走できないことも。ライフプランナーが残念ながら退職する場合や定年退職を迎えるときなどは、次のライフプランナーにお客さまへの想いを託す、「引き継ぎ」が行われます。
山口:もともと私は、営業としてのどん底を経験しています。数字が全然ついてこない、アポイントすら取れない……。うまくいかないことが続き、実際に退職届をしたためた時期もありました。
そんな頃に、「これが最後だ」と思って、前任のライフプランナーから引き継いだお客さまのもとへ向かった日がありました。最初は「ああ、引き継いだ人ね」といったご様子だったお客さまの奥さまに、最後のお役目だと思い、ひとつひとつ丁寧にご契約の内容についてご説明しました。そうしたら「もう一度、夫にも同じ話をしてもらえませんか」と。そしてそこから新しいお付き合いが始まったのです。
ご契約いただいた際の担当者ではなくても、きちんと向き合ったことでお客さまの不安を解消して差し上げることができた。「私でもお客さまの役に立てることがあるんだ」。そう思えたので、いつのまにか辞めたいなんて気持ちもなくなっていましたね。この経験を通して、私たちは全てのお客さまに真剣に向き合わなければならないと学びました。もちろん頭では分かっていましたが、ようやく心で理解できたような気がして。
山口さんの聞き手役をされていた岡崎さんにお話を伺いました。
岡崎:美鈴さん(山口さん)は、とても実直にお客さまと接する方です。だからこそ、ぜひ皆さんの前でご自身の経験を話していただきたかったんです。同じ支社の私でも、こんな機会がないと聞けないお話もたくさんありました。
お客さまを「引き継ぐ」という経験は、ライフプランナーのほとんどが経験します。だからこそ、美鈴さんのお話がみなさんの心にも届いたんじゃないかと思います。
岡崎:新人のみなさんには「こんなに頼れてエネルギッシュな先輩たちが大勢いるんだよ!」ということ。ベテランのみなさんには「私たちは、それぞれがロールモデルなんだよ」ということです(笑)
私もライフプランナー生活16年目を迎えました。私自身も先輩たちから学んできましたので、今度は後輩たちに「こんなライフプランナーになりたい!」という目標を描いてもらえるような研修会になったらいいなと思っています。