「新しい環境」に飛び込むのは、やはり怖い。どんなに自信があったとしても、失敗したらどうしよう……という不安が芽を出す。誰もが持つそんな“弱さ”を感じさせず、常にチャレンジを続けてきたのが、グローバルに活躍する滝沢頼子さんだ。

日本で生まれ育った彼女はいま、インドに住みながら、ITジャーナリスト・UXコンサルタントとして奔走している。その強さの源はなんなのか。臆することなく挑戦できる理由はなんなのか。滝沢さんの頭のなかを覗かせてもらった。


インドで感じた「課金で解決できないペイン」

画像: インドで感じた「課金で解決できないペイン」
――滝沢さんは現在、インドのバンガロールで暮らしながらITジャーナリスト・UXコンサルタントとして活躍されています。移住先・起業先としてインドを選択されたきっかけはなんだったのでしょうか?

滝沢:実はインドに住む前には、中国で働いていた時期があります。ただし、現代において日本と中国との関係はどうしても複雑になりがちです。他国にもつながりを持つ必要性を感じ、移住を考えました。そこで見つかったのがインドです。

インドには大きな可能性があると感じました。せっかく住むならば学びを得られる国が良いと考えていたところ、それに当てはまったのがインドだったというわけです。デジタルやITの技術が発展していて、今後さらに盛り上がっていきそうでもあった。そんなインドに住みながら、インドの技術を日本に紹介したり、視察ツアーを組んだり、市場リサーチをしたりできそうだな、と。

――実際に住んでみて、いかがですか?
画像: ▼インドでの一枚(ご本人提供)

▼インドでの一枚(ご本人提供)

滝沢:インドの人って日本人からするとおおらかに見える人が多いんです。それは良いところでもあるんですが、「課金で解決できないペイン」が多いのは悩みですね。たとえばなにかが壊れたときに、業者さんを呼んだからってすぐに解決できるとは限らない。うまく修理ができなかったりすると、「また明日来るね」って帰ってしまう。そして翌日、時間通りに来てもらえず、私は仕事の打ち合わせに遅れそうでひやひやする。日本だと起こりづらいことですよね。だから正直、最初はストレスが溜まりました。

ただ、これはインドに限ったことではなくて、海外の人たちと接する際には、なるべく冷静でいるように心がけています。そもそも文化的背景が異なるわけだから仕方ない、と割り切っています。

さきほどの修理の例だと、インドでは大家族で暮らすのが一般的ですから、いつ業者さんが訪ねてきても、誰かしら家にいるので問題ない場合も多いそうです。インド人の友人から聞きました。だから、もうそこはある程度割り切るしかないよねと。

一方で、主張や要求はしっかり伝えることも意識していて。やりたいこと、やってほしいことは何度でも言いますし、うまくいかなかったら「次は細かく指示しよう」「次はもっと早く言っておこう」と、次回に活かすようにしていますね。

――外国では「主張すること」が大事だとよく聞きます。

滝沢:そうですね。日本人はどうしても「察してほしい」と思ってしまいがちですが、それでは伝わりません。私も海外生活をはじめた当初は「わかるよね?」と思ってしまっていました。でも、それではいけないことがわかって、察してもらおうとすることが減りました。思ったことは、ちゃんと言葉にして伝えようって。

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