誰もが「ちがう」想いや悩みを持って⽣きています。でも、もしかしたら誰かが導き出した答えが、あなたの答えにもなるかもしれません。「根ほり花ほり10アンケート」では、さまざまな業界で活躍する“あの人”に、10の質問を投げかけます。今回は、元・日本マイクロソフト株式会社業務執行役員で、現在は幅広く実業家として活躍する澤円さんに登場いただきます。

きっと、「みんなちがって、みんなおんなじ」。たくさんの花のタネを、あなたの心にも蒔いてみてくださいね。


澤円(さわ・まどか)

元・日本マイクロソフト株式会社業務執行役員。マイクロソフトテクノロジーセンターのセンター長を2020年8月まで務めた。DXやビジネスパーソンの生産性向上、サイバーセキュリティや組織マネジメントなど幅広い領域のアドバイザーやコンサルティングなどを行っている。複数の会社の顧問やエバンジェリストの肩書を持ち、「複業」のロールモデルとしても情報発信している。また、ファッションや美容、自動車などのインフルエンサーたちとも積極的に共創活動を行っている。


①今の仕事に就いた経緯は?仕事のやりがいや楽しみは?

独立して「ボッチ社長」として仕事をしていることもあり、実は「仕事に就いている」という感覚はないんですよね。会社員時代からやっていた複業の延長線上なので。会社員を辞めてから複業が大きく拡大したイメージです。

やりがいは、なんと言っても全く制限なく社会貢献のお手伝いができることです。今までなら、会社のルールという若干の制限がありましたが、今はとにかくオプションフリー。あらゆる場所、あらゆる業界、あらゆるテクノロジーで社会貢献できるのは最高です。そして、自分が好きなモノやコトを堂々とお勧めできるのは、本当に気分がいいものです。


②これまでの自分の人生にキャッチコピーをつけるなら?

画像1: 澤円さん(実業家)の「根ほり花ほり10アンケート」

「継続はポンコツを救う」。これに尽きます。

特別な才能や生まれ持っての資質などもなく、やることなすこと失敗だらけのボクが、とりあえず生き残ることができたのは「しつこさ」に尽きると思っています。そして、やりたいことには制限をかけず、始めたら続けてみる。そうすることで、自分の中で不思議なイノベーションが起きて、仕事にも役立ったりします。

また、自分がポンコツであることを受け入れるのも大事。できないもんはできない、諦めて人を頼る。そう考えると随分生きるのが楽になりました。30歳から始めた空手も、色々関わり方を変えつつも続けています。運動が苦手だと思い込んでいたのですが、続けると意外とモノになるものです。心身にポジティブな影響を与えてくれて、とてもありがたいです。


③今までに人生の分かれ道に立ったとき、どう考えてどう決断してきた?

まず、行動が先。考えるよりも行動することで見える風景を変えるのが大事だと思っています。

ボクは今まで「とりあえずやってみる」「ダメだったらすぐやめる」を繰り返してきました。

そして、続けられるものは続ける。考えすぎないことが何よりも重要だとボクは思ってます。行動と言っても、それほど大袈裟なものではなくて、「普段行かない場所に行く」「今まで選んだことのないタイプの服を買う」「憧れている人の話を聞きにいく」こんな感じでいいかなと。


④休日明けの朝、仕事に行きたくないと感じることが多いです。そんなときどうしますか?

その気持ちに蓋をしないようにしますね。仕事に行きたくないという自分を受け入れる。

ボク自身、「仕事に前向きになれない自分はダメだ」って思ってた時期もありましたが、その頃は明らかに幸福度が低かったです。「やだなー、行きたくないなー」と思いつつも「でもまぁ、話すと楽しい人もいるし、その人に会いに行こう」くらいの気持ちで出社するとよいかな。

あとは、ちょっとした幸福感を与えてくれるものを、職場に用意しておく。お気に入りのマグカップ。机における観葉植物。推しの写真。自分をちょっとでもご機嫌にする工夫をするとよいのでは?

自分を不機嫌にする要素を言語化しておくのもいいですね。漠然と「やだなー」ではなくて、「これが嫌なんだよなー」って分かると、対策の仕様もありますからね。苦手な人がいるなら、その人を避けるための手段を考えられますし。


⑤仕事において、やりたいことや目標がみつかりません。そんな自分はダメでしょうか?

ぜんぜんダメとは思いません。やりたいことや目標が見つかることは「やらねばならぬこと」や「立派なこと」ではなくて「ラッキーなこと」です。たまたま、まだそのラッキーに出くわしてないだけかなと。

ラッキーなことに出会ってない=不幸、ではないですよね。まだ出会ってないだけですし。

でも、ラッキーに出会うにはまず行動が必要です。

「動かなければ何も起きない」とはアインシュタインの言葉です。

まず、普段しないような行動(いつもと違うルートで通勤する、行ったことのないイベントに顔を出す、話したことのない同期とお茶をする……etc.)をしてみるところから始めてみてはどうでしょうか?

すぐ上に、かみさん(造形作家の澤奈緒さん)の作品を身に纏っている写真をつけていますけど、これなんてまさに非日常。こういう体験は、凝り固まった自意識を解きほぐしてくれたりします。


⑥将来に対して漠然とした不安を感じてしまいます。どんなマインドを持てばいいので しょうか?

10年前のあなたは、コロナ禍を予想できましたか?ほとんどの方は、想像すらしない事態だったのではないでしょうか。

これは、将来は見通せるもんじゃないってことを示唆してます。「未来を予測する方法は未来を作ること」と、かのピーター・ドラッカーさんもリンカーン大統領も言ってます。

不安を感じるなら、行動で打ち消しましょう。ちょっとした行動は、自分にポジティブな変化をもたらします。昨日の自分よりもちょっとよくなったなって思えるような行動をしてみてください。

美容院に行って髪を染めてもいいし、スクワットをして筋肉痛を楽しんでもいい。本をパラパラめくって、さっきまで知らなかった言葉を覚えてもいい。自分はもっとよくなる!って思える行動が大事だなって思います。


⑦時間とお金の使い方のこだわりを教えてください

自分をご機嫌にするかどうか。とにかくこれです。不機嫌になる要素を取り除き、ご機嫌になるために時間とお金を投資する。やらないことにしているのは、見栄や虚勢のために時間とお金を使うこと。

他人との比較で優位に立つために時間とお金を使うのは最もくだらないと思ってます。

お金と時間は、自分の人生を豊かにするために使うのが大事。それは、自分のためだけにお金や時間を使うという意味ではなく、自分がご機嫌になるための寄付やボランティア活動なども含まれます。自己中でありつつ利他も考える、これがいいんじゃないかな。


⑧過去の自分にメッセージを送るなら?

意外といい人生が待ってるよ、かな。

絶望しかない人生を無駄に30年くらい歩んでました。なんであんなに絶望していたのかすらよく分かりません。まぁまぁ幸運に恵まれてたし。ボクはADHDで、いろんなことがちゃんとできないことに加えて、自己嫌悪が強いタイプの人格です。なので、自分の足りてない部分にばかり目がいくし、自分の欠点をやたらと指摘する人間の話を真に受けていました。

でも、今考えてみたら、その連中も大したことなかったなぁ……なんて思うわけです。自分を幸せにするのは、自分の権利であり、義務ともいえます。まぁ、とりあえず生きとけ。そのうちいいことあるから。と送っておきましょうか。


⑨将来どんな暮らし、生き方がしたい?

画像3: 澤円さん(実業家)の「根ほり花ほり10アンケート」

フランスのモラリストであるラ・ロシュフコーの箴言(しんげん)に、こんなものがあります。

「おなじ頭を使うなら、この先身にふりかかるかもしれない不幸を案ずるのに使うより、現にわが身にふりかかっている不幸に耐えるために使うほうがよい。」

ボクは結構この言葉が好きで、「未来のことをあんまし考えても仕方ないよな」って思ってしまうんですよね。

なので、ボクは「今を楽しく生きる」に集中してます。将来どうなるかは、今楽しんでいる延長線上にあるもので、理想を目指して何かをするというタイプではないみたいです。

ちなみに今の暮らしは気に入っていて、好きな時に好きな場所に行き、食事は好きな人とする。そして一人の時間も大事にする。最高の暮らしをしてます。

写真は20代の頃に憧れていた車、ランドクルーザー80。コロナ禍真っ最中に、自分をご機嫌にするために思い切って買ってみました。ランドクルーザーのモットーは「どこへでも行き、生きて帰ってこられる」です。まさにボクの考えていることとピッタリですね。


⑩澤円さんにとって、「自分らしく働く」とは?

誰かの人生を生きることなく、誰かのためになることをする。これが全てだと思ってます。

誰かが理想であると定義したものをなぞるのではなくて、「自分がこうしたい!」と思うやり方で仕事をするのが最高です。

できるだけ解像度高く「この人たちと一緒にやりたい」って常に感じながら「この人たちのために何かをしたい」を原動力に働くのがベストですね。そんな理想論、ありえないでしょって思う人もいるかも知れませんが、そういう世界は実在するんですよ。それも、意外と近くに転がっていたりするものです。

ボクが実際にそれを体験してるので、実在することは保証します。見つけるために行動するかは、あなた次第!


画像4: 澤円さん(実業家)の「根ほり花ほり10アンケート」

澤さんからの「10」のご回答、いかがでしたか? 澤さんの言葉の節々には、気持ちが前向きになるような“やさしさ”に溢れているような気がしました。悩んでいる自分に対して、「そのままでいいんだよ」「自分が信じた道でいいんだよ」と背中を押してくれるような……。皆さんにとっても心に残るメッセージが見つかればとてもうれしいです!


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