女も男も関係あらへん。“おかしな当たり前”を変えていく

画像1: 女も男も関係あらへん。“おかしな当たり前”を変えていく
――NHK新人落語大賞は年に一度、若手落語家NO.1を競う大舞台。しかも女性の優勝は50年の歴史上、初の快挙だったとか。

二葉:優勝してから女性の落語家に対しての視線が少し変わったように感じます。ずっと「女に落語なんかできるわけないやろ」「座布団返しだけしとけ」とか言われてきたのに最近は言われないです。テレビ出演や、独演会を各地でやり続けていることもあって、ちょっとずつ男の人と同じように評価されてきたんちゃうかなと思います。

あとは、優勝した時の記者会見で「”ジジイども見たか”って気持ちです」と言ったこともじわじわ利いているなと。

―― 米国紙『ニューヨーク・タイムズ』でも大きく取り上げられたひとことですね(笑)

二葉:意を決して言葉にしたというより、ポロっと出てしもうた言葉やったんですけど、「こいつは怖いぞ」と思われたんか、いらんこと言われへんようになりました(笑)。正直、「よう言うた!」と思てます。

男性が普通で女性は別物という見方をずっと感じてて、それに対する悔しさがガソリンになってました。性別は関係ない、誰でも堂々とやったらええやんか。そう思いながらも、日本一になるまでは説得力に欠けると思って私もなかなか言われへんかった。言うたらええねんけどね。

―― 女性が別物として扱われるという悔しさを、たくさん感じてきた。

二葉:私は「男やから」「女やから」がないことの方が普通やと思うんです。でもどこかで刷り込まれて、別物扱いの方が世間の当たり前になってしまっていると思う。

私自身、子どもの時に弟とケンカして「男のくせに泣くな!」と口走ったことがあります。どこかで男の人は泣いたらあかんという価値観を吸収してきたんやと思う。そんな私に母が、「男でも女でも泣くやろー」って。ほんまにそうやと情けない気持ちになりました。

画像2: 女も男も関係あらへん。“おかしな当たり前”を変えていく

いつの時代でも、男女でくくるのは変やと思う。だから、煙たがられたとしてもおかしいと思うことは言うように意識しています。私より先を生きた先輩方もそうしてきてくれはったから、今少しずつ女性を取り巻く環境が変わってきていると思う。先輩方に感謝です。

―― おかしいと思うことを言葉にすることが、後の人たちの自由につながっていくのですね。

二葉:そうなったらいい。女性に限らず。男性も「強くなければ」と言われてしんどいとか、思うことがたくさんあると思う。あんなん気の毒やわ。それぞれの生き方があるんやから、もっといろいろなことが普通に、自由になったらいい。もし世間のイメージや勝手な価値観で悩む人がおったら「仲間やで」って言いたい。私はそう言われたらうれしいから。

This article is a sponsored article by
''.