きっかけは、外見への強いコンプレックスだった
アカリ:アーユルヴェーダに出会ったのは二十歳のときです。一冊の本を読んだのがきっかけでした。
元々、中学生くらいのころから自分の顔がすごく嫌いでした。学生時代には体重の増加もあいまって、外見に対する強いコンプレックスを抱えていたんです。それがきっかけで、「とにかく綺麗になりたい」と思うようになって、あらゆる方法を試すようになりました。
ただ、服やアクセサリーで着飾ることには違和感を覚えていて。タンクトップとジーンズだけで綺麗な人のように、どこか“素材感”のある美しさを持つ人に憧れました。きっとコンプレックスがある分、生まれつき綺麗な人に対する「羨ましい」という気持ちがあったんだと思います。
そういった美しさを目指すためには、肌や髪のコンディションがすごく大事になってくるので、まずは「健康」でなければいけないなと。そのためには食事も、睡眠も、そして心の状態も大事になってきます。「美しくなるためには、まずは自分の人生に向き合わなきゃいけないんだな」と気がつきました。
アカリ:最初は、バイト代をすべて健康や美容のことにつぎ込んでいろいろなことを試しました。ヨガ、ランニング、骨気(コルギ)など、社会人になってからはスクールにも通ったりして、とにかくずっと学んで試してを繰り返していましたね。その延長線で、アーユルヴェーダの本に出会ったんです。
アカリ:その本ではまず、基本となる“体質”という考え方について触れていました。人にはそれぞれ“体質”があって、身体に合う食べ物や習慣はそれぞれ違うということ。
そして、それを自分に当てはめてみたら、今まで私が「痩せるため」と思って食べていたものは、ことごとく身体に合わないものだったということがわかりました。そこでその食事をやめてみたら、ずっと悩みだったニキビが消えて、体重が落ち始めたんです。
それとオイルマッサージ。当時はまじめに、毎朝6時前に起きて本に書いてある通りに実践してみたんです。そうしたら1週間ほどで、みるみる浮腫が取れて骨格が出てきた。一皮向けた、みたいな感覚でした。
二つとも即効性があったし、私に向いているのかもしれない……と思って、アーユルヴェーダのことをもっと知りたいと思うようになりました。
アカリ:私自身、悩んでいた頃はいろいろな方法を試しました。けれども効果がないもの、逆効果のものもたくさんありました。そういった経験があったからこそ、「人それぞれ体質が違うから、やるべきことも違う」という概念がすごくしっくりきたんです。
それってつまり、“まずは自分を知ることが大事”ということだし、人によって答えが違うから“自分で考えないといけない”わけです。今の時代は簡単に色々な情報が手に入るので、自分で考えなくても分かった気になってしまうことも多いと思います。
一度立ち止まって、「自分はどんな人か」「自分には何が必要なのか」を考えることは、自分らしさを見つけるきっかけになるし、とても楽しい作業だと思います。