ガーナの「貧困」や社会問題は事実。けれど、現地の人々の心は豊かさであふれていた

画像: ▲生命力に満ち溢れたガーナのジャングルで(ご本人提供)

▲生命力に満ち溢れたガーナのジャングルで(ご本人提供)

―実際にはじめてガーナを訪れた際、どのような感想を持たれましたか?

田口:まず、飛行機からガーナのジャングルが見えはじめた時、「地球にはこんな豊かな土地があったんだ」と感動しました。青々とした木々、生命力あふれる草花……。それらを見ながら「アフリカは私の居場所かもしれない」と、飛行機の中ですでに直感していたんです。まだ降り立ったこともなかったのに。

渡航前にガーナのことを調べていたときは「貧困」のイメージが強く、支援の手を差し伸べるべき場所、とまで思っていた。でも実際ガーナを訪れると、そんな偏ったイメージが変わっていきました。カカオ生産地の村に到着すると、村の人々がみんな、私に「どうして来たの?」と興味津々で声をかけてくれたんです。そして外国人である私を邪険にするでもなく、受け入れてくれた。ガーナの人々は心がとっても豊かなのだと知りました。

もちろん、ガーナに貧困問題があることは事実です。私が滞在中暮らしていた村は、その日働いて得た1ドル2ドルで今日をどう暮らしていくか……を考えるのが当たり前。昔のような強制児童労働は規制対象になっているものの、学校に行ったところで「知識を活かす産業がない」から、今まで通りに労働している子どもも多くいました。

特に医療や衛生は大きな社会問題で、私もこれまでに4度マラリアにかかっています。

―マラリアに4度も……! 日本では50年以上発症例がなく、「過去の感染症」として扱われることも多いそうですが、ガーナではまだまだ当たり前の感染症なのですね。

田口:そうなんです。私は現地の病院にいけば、日本円にして約300円のマラリア特効薬を買うことができます。けれど、その薬は村の人々にとって、絶対に手が出せないような高価な薬なんです。注射の針だって、新品を使っているのかも怪しい。点滴をして流血してしまったときも、消毒液やガーゼではなく、看護師さんの手で止血される。そんなことが日常茶飯事です。

私自身、昨日まで一緒に楽しくおしゃべりしていた村の人が、次の日急に病気で亡くなってしまうということを、何度も経験しました。そんな彼らと暮らしていくうちに、「私はこのまま帰国したとしても、これまでのように何も考えずチョコレートを食べ続けることはできないな」と感じるようになったんです。

―カカオ生産地の村の人々の多くは、チョコレートを知らないと伺いました。ガーナ産カカオから作られたチョコレートが身近にある私たちからすると、驚くべき事実です。

田口:そうですよね。現地の村の人に「どうしてこの村に来たの?」と聞かれたとき、「チョコレートが好きだから」と答えたら「それ、なに?」と返されて(笑)。当時は私も衝撃を受けました。

そこでYouTubeでチョコレートの作り方を調べて、試しに村の人たちに食べてもらったら、みんな「こんなにおいしいものがあるのか!」と喜んでくれて。その笑顔は今でも忘れられないです。

ガーナのカカオの魅力を、人々のやさしさを、そして貧困の現状をも、もっと多くの人に知ってほしいと思いながら、一回目の帰国の途につきました。


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