ここ、『ミモザマガジン』ではこれまで「自分らしく働き生きる」をテーマに、 “さまざまなキャリア”を歩んできた多くの方からのメッセージをお伝えしてきました。
人それぞれにキャリアの歩み方があり、考え方があり、そして自分らしさがあります。多様なロールモデルの生き方を知ることで、働き方の選択肢の広がりを感じ、未来への希望が膨らむ一方で、まだ何者でもない自分と比較して落ち込んでしまう……という声もいただいています。

「自分らしいキャリアってなに?」「キャリアを築くためのヒントが欲しい」――。
そんな想いを持ってイベントに応募してくださったみなさんに、パネリストの方々はどんな言葉を贈ったのでしょうか。ぜひ「My Rules番外編」をご一読ください!
変化の激しい時代の 自分らしいキャリアの重ね方
みんな「キャリアへのヒント」を求めている?

イベント会場は目黒・ホテル雅叙園東京。当日は山手線が運転を見合わせるというトラブルに見舞われながらも、開始時刻にはほぼ満員になるという盛況ぶりでした。
開演前は、どことなくソワソワとした空気感……。おひとりで参加する方が大半を占め、待ち時間には隣り合った方とぽつぽつとお話される方もいました。

当日はオンラインでの配信もあり、現地に来られなかった全国約40名の方にもご視聴いただきました。

そして待ちに待ったオープニング。まずはNewMe株式会社(以下NewMe)CEOを務める篠原さくらさんが登壇し、NewMeで行っているサービス内容の説明がありました。
NewMeは篠原さんと笹川さんが2023年に共同創業した女性のキャリアに関するサービスを展開する会社。現在は首都圏に住む20~30代、ミドル~ハイクラスの女性向けの転職サービス『NewMeJobs』や、女性のキャリアに特化したメディア『NewMe Story』、20-40代の働く女性に向けたコンテンツを配信するYouTubeチャンネル『NewMe Ch』を展開するほか様々な切り口で年間20回以上キャリア・ライフをテーマにしたイベントを実施しています。
私はこのままでいいの?キャリアって?得意なことって?

▲左から、笹川さん、井川さん、浜田さん
ここからはメインとなるトークセッション。ここではその一部をご紹介します!
プロフィール
笹川友里:NewMe株式会社CCO。新卒でTBSのADとして制作部に入局した後、アナウンサーとして活躍。現在はNewMeで女性のキャリアに向けたお仕事をするほか、モデル、ラジオパーソナリティなど活躍の場を広げている。
井川沙紀:ブルーボトルコーヒージャパン元代表で、2022年に独立しインフロレッセンス株式会社を起業。現在は海外ブランドの日本展開や、日本企業の海外進出を支援するコンサルティングを主とする。
浜田真衣:プルデンシャル生命 営業所長。新卒でサイバーエージェントグループにて営業・広報を経験し、その後プルデンシャル生命へ。ライフプランナーとして営業経験を積み、今年から営業管理職の道へ。
トークセッションは、笹川さんをファシリテーターに、井川さん、浜田さんがテーマに沿って話す形式で進行。笹川さんの 「傾聴力」、「引き出す力」が素晴らしく、元アナウンサーとしての本領を発揮される姿に、会場からは憧れの視線が注がれます。

まず笹川さんから投げかけられたのは「キャリアの軸・選択」についての質問でした。
井川:今振り返ると「このままでいいのかな」と常に考えていたように思います。私はずっと企業で働いてきましたし、ブルーボトルコーヒーの日本代表をしているときも、「今は会社に守られているけど、環境が変わっても果たしてやっていけるのかな」という気持ちがありました。そんなモヤモヤを抱えつつ独立したのは40代に入ってから。組織に依存せず、自分の力を試してみたいと思ったんです。
井川さんからは「焦らなくても大丈夫」というやさしいメッセージも。40代からの起業には勇気も必要だったけれど、挑戦はいくつになってもできるよという言葉に、安心と親近感を覚えます。
対して浜田さんは「まず動いてみたからこそ、自分の強みに気づけた」といいます。

浜田:「営業力が自分の強みだ」と気づいたのは、前職で営業から広報にジョブチェンジをしたタイミングでした。それまでも「営業が楽しい!得意だ!」と思っていたのですが、自分の可能性を広げるために自ら手を挙げて広報へ。そしたら全然思うようにいかなくて……。その後プルデンシャルからご縁をいただき、もう一度営業でチャレンジするチャンスを得ました。やっぱり私には営業が向いていますね(笑)。違う分野にチャレンジして、得意なことに気づけたことが「キャリア選択」のターニングポイントだったと思います。
挑戦を続ける二人。成長の源泉は、どこにある?
井川さんは起業、浜田さんは若くして管理職へのステップアップ……。それぞれに挑戦を続けるお二人に対して「どうして成長し続けられるのか?」という質問があがりました。
井川さんからは「人との対話を通じて“自己理解”することを大切にしている」、浜田さんからは、「慣れ=鈍化、という危機感を持つ」という答えが。

井川:私は立場上、部下を持つ役割を担うわけですが……部下や仲間から、積極的に私の行動に対するフィードバックをもらうようにしています。遠慮してなかなか言えない人には、「1個でいいから!お願い!」って食い下がって(笑)。私の基準は、「横比較ではなく縦比較」。他人と比較するのではなく、あくまで過去の自分と比較して、成長できているかどうかを確認するんです。そのためにも周囲と対話して、今の自分を知ることが重要だと思っています。
「部下から積極的にフィードバックをもらう」という姿勢は、上司の心がけとして一朝一夕ではできないもの。参加者のなかには井川さんと同世代の方や、同じく部下を持つ立場の方もいて、熱心にメモをとる姿が見られました。

浜田:私は、「環境への慣れ」=「成長の鈍化」だと捉えています。同じ仕事を何年も続ければ慣れてくるし、それって成長が鈍化しているということなのかなと。だからそれを危機と捉える。同じところに居続けるのって、居心地がいいし、安心感もありますが、やはり“成長痛”が足りていないというか……。成長痛を感じるために、目標をあげてみる、環境を変えてみる、憧れの人に話を聞きにいって視座を高めるとか、できることをやっていますね。
浜田さんは今年32歳。昨年ご結婚をされ、ライフステージの変化も感じ始めているそうです。年齢や境遇が近い参加者の方は、自ら“成長痛”を感じにいくという浜田さんのメッセージに刺激を受けたのではないでしょうか。
今の時代を生きる私たちにとって、「必要な力」ってなんだろう?
今、私たちは価値観が大きく変化し続ける、激動の時代を生きています。男女共に「自分らしく働ける世の中へ」という考え方は、広まりつつあるものの、まだまだ浸透しているとは言えません。

笹川:変化が激しい時代を私たちはこれからも生き抜いていく必要がある。NewMeはそういった時代に対して「人生を自分でハンドリングし、前向きに生きる女性を増やしたい」という思いを持って立ち上げました。お二人の思う、これからの私たちに「必要な力」を教えてください。
浜田:やはり「営業力」でしょうか。これが自分の強みだと気づいたときに、大きな自信になりました。営業って何かを売ることだと思われがちですが、営業の本質は「相手の課題を見つけ、解決案を一緒に探す」ことです。これって実は、仕事だけじゃなくて日常の生活にも活かせる力だし、人間関係を築くための基礎力とも言えるわけです。何事も、人と人とのコミュニケーションが源泉になりますから。
井川:私は、思考の「柔軟性」かなぁ。私も気づけば40代半ば。変化を恐れずに、若い世代や新しい技術から学び続ける姿勢こそ、激動の時代に必要な力だと思います。若い時も悩んでいましたし、今でも悩むことは多いですが、それを前に進む原動力に変えることが大事ですよね。一歩でも前に進もうとする皆さんを応援しています。

▲トークセッションの終わりには、自然とあたたかな拍手が起こっていました
悩みを一人で抱え込まず、時には周りに頼り、自分自身を見つめ、そして柔軟性を大切にしながら前を向いて歩くこと。「憧れの存在」と思うような人でも、悩み、もがくことがある。
「自分はまだ何者でもない」「何だかうまくいかない」と悩むこともある私たちにとって、ロールモデルとも言えるお二人の考え方は、今後のキャリアのヒントが得られるセッションでした。
参加者同士の「交流会」。
新しい出会いを通じて、共感し、さらにヒントを得る

トークセッションのあとは、NewMeで開催するイベントではおなじみの「参加者同士の交流会」が行われました。
近くに座ったのは、きっと何かのご縁。参加者同士で円になり、「はじめまして」から、「今までどんなキャリアを歩んで来たか」という話題になり、話に花が咲きます。初対面にも関わらず、多くのグループから笑い声が! 肩書きを抜きにして、すぐに会話がはずみ、距離を縮められるのは女性の特技といってもいいのかもしれません。
「いま子育て中で、仕事と子育ての両立って本当に大変で……」「周囲は結婚しているけど、私はその予定がない。仕事をもっと頑張りたいのにうまくいかなくて……」といった、リアルなお悩み相談もちらほら聞こえてきます。

交流会には浜田さんも参加し、さっそく「同い年で親近感湧きました!」「いつもどのくらいお仕事をされているんですか?」といった質問も。それにあたたかく答えていた浜田さんの姿も印象的でした。
参加者からいただいたアンケートでは、
「登壇者のみなさんの話はもちろん、参加者との交流で仕事に対するモチベーションがすごく上がりました!」
「このまま進んでいいのか不安を感じていましたが、お話を聞いて『とりあえず動くことが大事なんだ』と背中を押してもらえてよかったです」
と前向きなコメントがたくさん寄せられました。
勇気を出して、一歩踏み出してみること。例えばこのイベントのような場所に、たとえ一人でも、まずは足を運んでみること。その勇気の対価が、「明日も頑張ろう!」と思える前向きな心なのかもしれません。
この場で得たひとつひとつの言葉が、「人生のハンドリング」をするきっかけになっていくように感じます。

~おわりに~
NewMe × Prudentialのコラボイベントレポートは、いかがでしたか?
今後もプルデンシャル生命が運営する『ミモザマガジン』では、自分らしく、働き、生きたいと願う人の背中をそっと押せるようなコンテンツを発信していきます。
ぜひ、今までに掲載されているたくさんの「自分らしく、働き、生きる」方々の素敵なメッセージものぞいていってくださいね!
いつもミモザマガジンに遊びに来てくれる皆さん、そしてこのレポートを読んでくださったみなさんが、明日も「自分らしく」いられますように。
執筆:山口真央 撮影:梶 礼哉