間違えることは、もう怖くない。軌跡をたどり、自分の正解を探していけばいい

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――自分だからできることに、自分らしいペースで取り組んでいく大日方さん。今、改めて両手のバランスを見直してみて、どんな気持ちですか?

大日方:本当に心が軽くなりました。ずっと止まれずに走り続けていた感覚があったから。笑顔でいられない日も、「私はこんなに頑張っているのに!」と怒りたい日もありました。背負っている荷物が増えていくことは見て見ぬふりをしていたのに、自分の足りないものばかり見えてきて、とても苦しかった。

そんなふうにしんどくなった日が、つい最近もありました。でも今回は我慢するのではなくて、思い切って予定を全部キャンセルして、自分のために家に引きこもってみたんです。食事も全部 Uber Eatsで手配して。だんだん気持ちが落ち着いていく中で感じたことは、「ああ、私、今めちゃくちゃ幸せだ」ということ。安心できる家に大切なパートナーがいて、思う存分甘えてくれるベビたちがいて、私も思いっきり愛することができる。

ああ、これが「足るを知る」ことかって。疲弊した自分を受け止めて立ち止まったことで、既に満ち足りていることに気づけました。

――幸せ溢れる気持ちが伝わってきます。この先はどのように進んでいきたいですか?

大日方:先ほども言いましたが、郊外に新居を建設中なんです。コンセプトは「動物が遊べる美術館」。私が好きなアートをたくさん飾りたいと思っているし、そのうえで犬や猫たちが生活する環境を整えて、殺処分にされてしまうような子を一匹でも多く保健所から引き出してあげたい。これは私の長年の夢でした。

あとは外猫ちゃんたちを保護してあげたいです。避妊・去勢の手術をして、新しい家族がみつかるまでの仮のおうちとして使いたいし、ずっとうちにいたっていいです。その子にとってのベストを行動しながら確かめていきたい。

間違いを見つけて修正しながらやっていくことが、確実に正解に向かえる近道だと思うから。

――間違えることは怖くないですか?
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大日方:今はもう怖くないですね。昔は怖かったですよ。ひとつ間違えると、自分自身に「×」 をつけられた気持ちになっていた。

それは私の性格もあるけれど、日本はそう思いやすい教育なのかもしれないですね。ドイツでは、学校ではボールペンを使うんですって。自分が間違えたと思ったら、線で消して書き直す。なぜ間違えたのかを軌跡から学んでいく教育だそうです。一方で日本は、鉛筆で書いて、間違えたら消しゴムで綺麗に消しますよね。でもそうすると、答えにたどり着くまでの道のりは消えてしまって、正解か不正解かしかわからない。

私は軌跡を確かめられるほうが好きです。間違えれば間違えるほど、知れることがある。自分の正解や判断軸をたくさん持てる。それに気づいてからは、間違えることが怖くなくなりました。だから、まさに今迷っている人たちには「間違えたって大丈夫だよ」って伝えたいです。

――間違いは、消さなくていい。間違えたって大丈夫。

大日方:そう。間違えないことではなくて、間違いを振り返れること、倒れても再び立ち上がれることが強さだと思います。

私もこの先の人生の中で、また転ぶでしょう。でも、これまでの間違いから得た学びを足がかりに、きっと立ち上がれる。

――大日方さんらしい、明るい「また転ぶでしょう」。この先、何があっても大丈夫な気がしてきます。

大日方:そうですよ!大丈夫。転んでも大丈夫だと思うと、ワクワクしませんか?私も、まだまだやりたいことがたくさんあります。

年齢を重ねると初めてのことが少なくなっていく。だからこそ、まったく知らない世界に飛び込んでみたい。「私ってまだまだだな」と悲しむのではなく、好奇心に素直に、何でも新鮮に受け止めて、笑い飛ばせる自分でいたいなって思います。

画像: ▲大日方さんにとって自分らしく働き生きるとは、「大切なものを守る」こと

▲大日方さんにとって自分らしく働き生きるとは、「大切なものを守る」こと

画像: 右手は家族のため、左手は動物たちのために使いたい。
パーソナルスタイリスト・犬猫保護活動家 大日方久美子さん

大日方久美子

アパレル販売の経験を経て2013年よりパーソナルスタイリストとして独立。独立後に始めたインスタグラムでは、服の値段にかかわらずエレガントでスタイリッシュな着こなしを提案し9.8万人のフォロアーを持つ。現在はアパレルブランドのWEBページでスタイリングやモデル、イベント企画などもおこなっている。2016年4月には初となる著書「"エレガント"から作る大人シンプルスタイル」 を発売。Life Workとして野犬の一時預かりボランティアを中心に犬や猫の保護活動をしている。

執筆:紡 もえ 撮影:梶 礼哉 構成:プルデンシャル生命・ミモザマガジン編集部

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