シングルマザーだからって、やりたいことを諦めなくてもいいんだよ。
坂部:もう、すっごく大変!(笑)。やっぱり2人で育てるのと、1人で育てるのでは母数が違います。それはもう事実としてあることです。
けれど、私はシングルマザーになっても自分が天職だと思っている仕事を諦めたくなかった。だから息子が3ヶ月の頃に仕事復帰。ベビーシッターも延長保育もフル活用しますし、時には保育園のお迎えや夜ご飯などを、私の母や教室のスタッフにお願いすることもあります。
坂部:じつは、私の母もシングルマザー。つまり私は女手一つで育ててもらった娘です。金銭面で苦労したこともありましたが、母も働きながら保育園、ご近所さんのお力も借りながら私を育ててくれた。その背中を見ているからこそ、「育児はひとりで背負い込まなくてもいい」という考えが自然とできあがったのかもしれません。
結果、いろんな大人に接して育った息子はなんというか……、「気遣いができる子」ですね。子どもらしいやんちゃで可愛い面もあるけれど、状況を察するのが上手。母親と接する時間が多ければ多いほど子どもは幸せ、という考え方もありますが、私の場合は息子と一緒にいられる時間を目一杯楽しみます。休日は一緒に公園に行って汗だくになるまで駆けっこをしたり、一緒に料理を作って食べたり。息子のお友達を家に呼んでパーティーをしたり。息子の楽しそうな笑顔をみると、私自身がとても癒されます。
私はたくさんの人の手を借りて子育てをしてきたことに後悔はないんです。
「シングルマザーだからと言って息子を理由にやりたい事を諦めたくない!努力すれば必ず誰かが見ている!やりたい事は諦めなければ、必ず継続できる!」。シングルマザーの一つのロールモデルになれたらうれしいです。
坂部:肝っ玉母ちゃん、かな(笑)。とにかく強いし、シングルマザーの道を選んだのも、母が「なんとかなるよ」って言ってくれたから。料理の道に進んだのも、忙しくても毎日心を込めた手作りの食事を作ってくれた母の影響が大きいと思います。お誕生日ケーキも、味噌も毎年手作り。母の手作りおやつを食べることが、私の幸せでした。
母は、「おいしいと思ったものは、人にあげなさい」と教えてくれました。そうすればみんなと幸せになれるよって。もう一つ忘れられないのは、私が幼い頃に友達からいじめられたときのこと。泣いて帰った私をみて、母は、「とても辛かったね」と抱きしめてくれ、「人の嫌なところが目についたのなら、自分の中にもそういった嫌なところがないか考えてみることも大切だよ」と教えてくれた。子どもの頃は理解できませんでしたが、今ではどちらの教えも素敵だなと思うし、大切な私の指針になっていますね。