作りたい世界の「体現者である」こと。それが私の使命感

画像1: 作りたい世界の「体現者である」こと。それが私の使命感
――現在、シェアにまつわる仕事を軸に、様々な活動をされています。たくさんの肩書きをお持ちですが、現在はどんな働き方をされているのでしょうか?

石山:シェアにまつわる仕事からお話すると、シェアリングエコノミー協会の代表理事を務めていて、シェアリングの市場を広げたり、世の中の仕組みに対して提言をしたりして環境整備を行う仕事をしています。

ミレニアル世代のシンクタンク・コミュニティ『Public Meets Innovation』の運営や、株式会社USEN-NEXT HOLDINGSの社外役員を通じて、人材育成や企業のサステナビリティに取り組んだりもしていますね。それから複数のTV番組でのコメンテーターも大きな割合を占めています。

――シェアにまつわる活動を始めた当初は、シェアを仕事にすることはむずかしかったのではないでしょうか?ロールモデルなどもいなかったのでは。

石山:確かに、シェアというのは当時、全然身近な文化ではなかったですね。でも私には、「シェアというライフスタイルが世の中にとって良いはずだ」という、確固たる自信があったんです。

シェア文化そのものに自信があるからこそ、「もっと多くの人に知ってもらいたい」という思いで発信をしてきました。共感の輪が広がっていく過程が、ただただ楽しいんですよね。

――学生時代から続けてきた「発信」すること。それが今では番組のコメンテーターなどの仕事にもなっています。今後の石山さんには、仕事における目標やマイルストーンはあるのでしょうか?

石山:私は何歳までにこれになりたい、とかこういう職種につきたい、といったキャリアの願望が元々あんまりなくて。でも「こういう世界であってほしい」という想いやビジョンは、常に持っています。

社会とって必要だから動こうと思える。社会に対するゴールはあっても、自分に対するゴールはないんです。

今やっている活動は、こういう風になったらいいなと発信した結果です。「こんなプロジェクトがあるから一緒にやらないか」と誘われたり、「まだこんな組織がないから新しいものを立ち上げよう」と決めたりとか、そういう形で広がってきただけ。だから、別に自分が望んでいたというよりは、気づいたら色々な肩書きを持っていた、みたいな感覚です。

――もっとシェア文化が広がることで、どのような世界が実現できると思いますか?

石山:私は、より暴力が減る世界になると思います。

先ほど話したように「どれだけ自分と他者に境界線を引くか」によって、“自分ごと”にできることに差をつけてしまうんですよね。だから、人々がよりシェアしていくことによって、社会のつながりの総量が増えて、一人一人が“自分ごと”だと感じる幅が広がると思うんです。「あの人は別に自分と関係ない人だから、餓死してもいい」といった考えにならずに、“繋がりのある社会”が広がってほしいなと感じています。

――そんな石山さんにとって「自分らしく働き、生きること」とは?

石山:「体現者であること」です。

自分が「社会を変えたい」と思うと同時に、作りたい社会や世界の体現者でなくては、という使命感がある。やっぱり実際に経験しないとわからないこともあるし、言葉に説得力がないなと感じることもある。だから、なるべく自分の実生活として経験を重ねることを重視しています。

他人と比べるようなことではありませんが、「自分がそれ(社会課題)について一番知ってるはず」とか、「自分が一番考えてるはず」とか、勝手に“自分にしかできないこと”だと思い込むことによって、自分が行動せねば!という気持ちになっているのかもしれません。

今の私は、シェア文化を広げることや、自分でルールを作れる人を増やすことに夢中なんです。私の仕事は、まだ誰も知らないことや、次の価値観の物差しになるような「新しい概念」を広く普及させることにあります。

まだ誰の共感も得ていないものや、まだ当たり前になってない状態のものを社会に広げていく、その可能性にワクワクしています。

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画像: 「シェア文化」を通じて自分の世界を拡張する。“自分ごと”になれば きっと社会は変わっていく。石山アンジュさん

石山アンジュ

1989年生まれ。「シェア(共有)」の概念に親しみながら育ち、シェアリングエコノミーを通じた新しいライフスタイルを提案する活動を行うほか、政府と民間のパイプ役として規制緩和や政策推進にも従事。2018年10月ミレニアル世代のシンクタンク 一般社団法人Public Meets Innovationを設立。 現在は大分と東京の二拠点生活を行う。著書に「シェアライフ-新しい社会の新しい生き方-」「多拠点ライフ-分散する生き方-」Forbes JAPANなど。

執筆:野風 真雪
取材・編集:山口 真央
写真:梶 礼哉

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