「夢」を叶えるための、過酷な日々

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――なぜ、断ることにしたのでしょうか?

福井:会社に認めてもらえたのはとてもうれしかった。でも、日本の一等地で看板を背負ってやるということは、会社に骨を埋める覚悟でやらなきゃいけないことだと思ったんです。でも、僕の目標は「独立」することだった。一生、会社員として働くことは想定していなかったので、責任を負うことができない――。結局、その半年後に退職しました。

――相当引き止められたのではないじゃないでしょうか?

福井:そうですね、かなり好条件を提示していただいて。でも、僕はお金のために働いているわけじゃなかった。「自分のやりたいことがあるかどうか」と、「仕事に対する責任が取れるかどうか」のふたつを重視していたので、退職すべきという気持ちは変わりませんでした。

一般的に、敷かれたレールの上を走っていくことは楽だと思われがちです。でも僕は逆だと思う。レールを敷かれるということは、そこに他人の軸が関わってくるということ。つまり、万が一失敗したら他人にも迷惑をかけてしまうわけです。会社員だとしたら、会社に大きな損害を与えてしまうリスクがありますよね。その責任を背負いながら働くのはとても大変なことだと思います。

でも、自分で用意したレールの上を走るのであれば、仮に失敗したとしても、自分ひとりが責任を取ればいい。やめるも続けるも自分次第なので、気持ちが楽というか。

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――なるほど。だから考えた結果、大塚家具を退職し、次の道へ進まれたんですね。
福井:そうなんです。退職後にはバンタンデザイン研究所※1に入り、インテリアについて学びました。とはいえ学費を払うためには働かなくちゃいけない。そのため、広告代理店に営業職として入りました。
しかもそれには目的があって。インテリアの世界では必ずパース※2 というものを作成するんですが、それにはIllustratorやPhotoshopといったソフトウェアの知識が必須です。そして、広告代理店にはそれらを扱うプロのデザイナーやイラストレーターが在籍している。だから僕は営業職として働きながら、就業後に彼らからスキルを学ばせてもらっていました。

同時にバンタンに提出する課題もこなす必要がある。授業は毎週日曜日だけでしたが、課題がたくさん出されるんです。なので、平日は朝から晩まで仕事をして、その後にIllustratorやPhotoshopの触り方を教えてもらって、さらに課題をこなす。毎週その繰り返しで、寝る暇もなかったですね。

※1…クリエイティブ分野に特化した専門学校。社会人になってから通う人も多い
※2…建造物がどのようになっているのか、その構造を立体的に表したもの

――挫けそうになる瞬間はありませんでしたか?

福井:もう、いっぱいありましたよ(笑)。課題を終わらせなきゃいけないのに睡魔に負けてしまって、先生に怒られたり。しかも20歳くらいの若い子たちの前で、当時26歳の自分が怒られているなんて情けなくて、何をやってるんだろう……と落ち込みました。

ただ、ここで逃げてしまったら、すべてを棒に振ると思ったんです。大学時代に真剣に悩んでインテリア業界を選んだことも、自分を認めてくれていた大塚家具を辞めたことも全部無駄になってしまうと。そうではなく、これまでのすべてを糧にする人生を生きたい。そう考えたら、諦めることはできませんでした。


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