自分の健康を損なってまでやるべき仕事はない。「仕事は、健康であるからクリエイティブ」

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―こうして福田さんとお話していると「やっぱり強いな」と思うと同時に、失礼な言い方かもしれませんが、トライアスロンへの挑戦など「母親なのにすごいな」と思ってしまう自分もいます……!

福田:どうして? なにも失礼なんかじゃないと思います。だって妊娠・出産って、身体のありとあらゆる部分を大怪我して、これまで保ってきたバランスをすべて崩して命がけでするものです。
そこからいろいろと努力を重ねて、元の生活や仕事にも復帰する。そこを「母親なのにすごいな」と思っていただいたなら、「よく私のことを見てくださっているんだな。ありがとうございます」って言いたいです。素敵な表現だと思います。

よく、人から「かっこいい」「芯がある」という言葉をいただくのですが、それに対しても「よく見ていてくださってありがとうございます」と言いたいです。

私の中には、かっこいい部分も、芯がある部分もあるのかもしれないけれど、そうじゃない部分もたくさんあります。そんな中で、私のかっこいい部分を見つけてくださるのは、ほんとうにうれしいことですよね。

―素敵な考えです……!芯のある福田さんのもとには、「相談にのってほしい」という方も多く集まるのではないでしょうか。例えば、キャリアの選択に迷う人がいたら、福田さんはどんなアドバイスをしますか?

福田:うーん、ごめんなさい。私がキャリアについて直接ドバイスできることはないと思います。私は私の人生しか歩んできていないし、その経験をもとに違う人の人生にアドバイスをすることはできません。

ただ、もしその方が私の目の前にいたら、「ご本人が本当はどうしたいのか」を一緒に見つけることはできるかもしれません。「自分の比重はどこにあるの?」ってたくさん質問してお話すると思います。それでご本人が一つの答えを出したなら、それが正しいから。そこに福田萌子の意見を載せるのは、ちょっと違うでしょう?

―なるほど。では私の個人的な話で恐縮ですが、祖父母からよく「結婚しろ」と言われて悩んでいて……。そんな時、福田さんなら、どのように考えますか?
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福田:確かに、人から「結婚しなきゃ」と言われると、自分でもそう思ってしまうじゃないですか。でも、結婚しなくちゃいけない明確な理由ってありますか?パッと思いつかないですよね。

今してもいいし、50年後にしてもいいし、一生しなくてもいい。そういう時には、「じゃあ自分がどうしたいのか?」を考えてみることが大切だと思います。

その中で「やっぱり自分は結婚したい」と思う場合、タイミングや選ぶ相手とか、色々な選択肢がまた出てきますよね。その中で私はどこにいるだろうと、だんだん自分の位置を見つけていけば良いんです。

例えば、お仕事をもっと頑張りたい場合、結婚しても仕事をセーブする必要はないかもしれない。でももしかしたら、仕事や会社によっては結婚や出産をしたことで仕事をやめなくちゃいけないところもあるかもしれない。そうしたら、結婚しない方がいいよね、って。

誰かに言われたからとか、みんながこうだからじゃなくて、「今の自分がしたいこと」と、「優先順位」を論理的に考えていくことで、一つの答えがだせるのかなと思いますよ。

―確かにそうやって考えていくと、私も自分の答えが出せる気がします。

福田:私自身は、「自分の体も心も、ヘルシーであること」を最優先にしています。体と心は深く繋がっているので、どちらかがダメになってしまえば、仕事どころじゃなくて、人生そのものにも関わることですよね。だから、自分の健康を損なってまでやる仕事はないと思うんです。「お仕事は、健康であるからクリエイティブ」。これがきっと、私にとって自分らしく働くということですね。

でも、それを人に押し付けようとはまったく思わないです。同じ考えの人がいたらもちろんうれしいけれど、「それってヘルシーじゃないからダメよ!」と押し付けるのは違うかな。

私は私の選択を。あなたはあなたの選択を。そうやって選択の積み重ねをしてきた結果、今日こうして私たちはお仕事のご縁をいただけている。今後も自分の選択を大切にしながら日々を過ごしていきたいです。

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画像: 「カテゴライズせずに人と向き合いたい」 母親になった福田萌子さんの、“枠にはまらない”仕事と子育て

福田萌子

1987年6月26日生まれ。沖縄県出身のモデル、スポーツトラベラー。スポーツの素晴らしさや、従来の固定観念にこだわらない女性の在り方を世界中に発信している。Prime Videoで配信された恋愛リアリティ番組 『バチェロレッテ・ジャパン』では初代バチェロレッテとして日本中で話題に。2023年1月、第一子誕生を報告。

取材・執筆:山口真央
編集:野風真雪
写真:梶礼哉


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