医師として、そして親としての対応を求められた新型コロナウイルス感染症

画像: 医師として、そして親としての対応を求められた新型コロナウイルス感染症
ー来日後、日本で医師免許を取得したのち、すぐに新型コロナウイルス感染症に対する最前線で、医師としての活動を開始されています。当時の経緯をお伺いさせてください。

レニック:無事に日本での試験に合格して、4月からはNTT東日本関東病院で働くことになりました。

当時はまだ「コロナ患者の扱い」が、どの病院でも課題になっていました。呼吸器内科が担当するのか、それとも感染症内科なのか。そういったことが定まっておらず、コロナ患者を積極的に診れる医者が少なかった。

その点、私はオーストラリアでは総合診療医として活動していて、どういった症状でもまずは診てみるというスタンスだったので「じゃあ、コロナの人も診ますよ」と手を挙げました。でも実際にやってみると、本当に大変でしたね……。
※総合診療医:GeneralPractitioner略してGPと呼ばれ、年齢、性別を問わず、人の健康問題に向き合って病気を心身の両面から全体的に診療する医師のことを指す。

陽性になったら発生届を出さなくちゃいけないとか、じゃあこの人はホテルで隔離になるのか、自宅療養になるのかとか。当時はとにかくコロナ患者への対応が複雑化していましたから。

ーそんな状況の中、X(旧Twitter)でのコロナに関する情報発信を開始されたのはなぜでしょうか?

レニック:当時の日本では、コロナやワクチンの情報を、一般の人向けにわかりやすく発信しているメディアや人がほとんどなかったんです。世間で情報が錯綜していたり、専門外の週刊誌が不安を煽るような記事を出したりして、みんなが混乱していました。それを見ていて「なんとかしないとな」って思ったんです。

私なら、医師の目線から専門的な情報を発信できるし、海外の最新情報を翻訳して伝えることもできる。X(旧Twitter)での情報発信を試してみようかなと。

ーフォロワー数の多さ(2023年8月現在9万4000人)を見ると、たくさんの人がレニックさんが発する情報を頼りにしていたことがわかります!しかし、激務の中、X(旧Twitter)での情報発信までしていたとなると、プライベートに影響しませんでしたか?

レニック:そうですね。普段から家族との時間を大切にしたいと考えているので、コロナ禍でもワークライフバランスを崩さないように意識していました。

ただ、これは私だけではないと思いますが、コロナによるストレスはありましたね。外出制限に加えて、急に子ども達の学校が休校になったり、社会のルールが変わったり。

ですから、家族のストレスを軽減するために、我が家では夜の8時になったら全員デジタル端末の電源を切って、リビングで過ごす時間を作りました。一緒に本を読んだり、その日にあったことを話したり。

この時間があることで、忙しい中でも家族として過ごす時間を確保できました。この習慣は今でも継続しています。上の子はもうすぐ10歳になるんですが、一番熱心にこの時間を過ごしてくれていますよ。

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