母親になること――。それは女性にとって、一つの大きなターニングポイントだ。生活が変わり、ひと時も目を離せない存在がこの世に誕生するとなれば、なかには自分がこれまで目指してきたキャリアや、「やりたいこと」をあきらめざるを得ない人もいるだろう。だがその人、今村 陽(いまむら みなみ)さんは違った。

「自分がママだからこそ、出会えた人がたくさんいる。そして、ママだからこそ尊敬している人もたくさんいる。そんな大切なみなさんに、ずっと寄り添っていきたいから、私はこの仕事をしています」

彼女は母になってから、プルデンシャル生命のライフプランナーという道を選んだ。そして実は、彼女の父親は、かつて同社で定年まで勤めあげたエグゼクティブ・ライフプランナーだった。

「母」として、そして「父の跡を継ぐ者として」。2つの視点から彼女を深ぼってみたい。


前編:「キャリア」と「やりがい」を追及できる仕事(←今回の記事はココ!)
後編:父は元ライフプランナー。2世としての覚悟と「My Rules」

コロナ禍をきっかけに、一度あきらめた「キャリア」と「やりがい」

画像: コロナ禍をきっかけに、一度あきらめた「キャリア」と「やりがい」

秋めいてきた穏やかな日の岡山。取材陣を出迎えてくれた今村さんは、「陽(みなみ)」という名前によく似合う、とても物腰柔らかい、あたたかな人だった。

「岡山城って、身近にありすぎてなかなか来ないんです。こうやって写真を撮ってもらうなんて、新鮮で!」と声を弾ませる今村さんは、生まれも育ちも岡山県。今も岡山で暮らし、お客さまもほとんどが岡山に暮らす方なのだという。

「大学だけは関東にある女子大へ。大学卒業後の進路に迷っていたときに、当時交際していた夫が岡山で暮らしていたので、私も岡山へ帰郷、就職することにしました」

前職はジュエリーショップの販売員。お客さまの“節目”に立ち会える仕事として、心からやりがいを感じていたという。

「例えば、彼女さんへのプレゼント探しに男性がひとりで来店されたとき。どんな方なのかを詳しく伺って、一緒に悩みながら選ぶこともありました。素敵なプレゼントになったと喜んでくださると、やりがいを感じましたし、その後、彼女さんと一緒に再びご来店されることも。そして婚約指輪、結婚指輪、ベビーリング……。節目ごとに、担当の私に会いに来てくださる方がたくさんいて。お客さまの人生の大切な瞬間に寄り添えている気がして、とても幸せな仕事だったんです」

「正直売り上げよりも、お客さまに寄り添えることがうれしかった」と笑う今村さん。

そんな彼女は、前職時代に2人のお子さんに恵まれた。時短勤務などを駆使して仕事を続けたが、フルタイムの同僚や後輩と比較して昇格のペースが落ちてしまったり、店長などのマネジメントキャリアへの道が遠ざかってしまったことに悔しさを覚えたという。そして迎えたコロナ禍……。

「コロナ禍突入と同時に、保育園が長期のクローズになってしまったんです。仕事は大好きでしたが、まだ2歳だった息子を家に一人で置いておくわけにもいかず、専業主婦になる道を選びました」


「限られた時間で働くからって、キャリアをあきらめなくていいんだ」。
プルデンシャルで見つけた“ママとしての働き方”

画像: 「限られた時間で働くからって、キャリアをあきらめなくていいんだ」。 プルデンシャルで見つけた“ママとしての働き方”

「やってみて痛感したのが、専業主婦って本当に大変なんだということ。家事だって子どもが家にいながらやるのと、保育園に行っている間にやるのとではまったく進みが違います。毎日頑張っているのに、働いていた頃のように周りから評価してもらえないことが私にはとても辛くて、専業主婦を続けるのは難しいと感じていました。夫は『いつもありがとう』と声をかけてくれましたが、やっぱり社会とのつながりが薄くなってしまった気がして……」

仕事から離れたことで感じた「社会との距離」「認めてもらえない」という気持ち。今村さんは専業主婦を卒業しようと、就職先を探したという。

「前職では、お客さまの人生の節目に立ち会える仕事にやりがいを感じていました。でも、帰宅が夜遅くなる仕事は、子どもが幼い時期には難しい。そんなときに、私の父が『プルデンシャルのライフプランナーは、お客さまの人生の大切な瞬間に寄り添える仕事。それでいて “Free to Work” という考え方のもとで自由に活動ができるんだ』と言っていたことを思い出したんです。つまり、時間に縛られることがなく働けるということかと」

「例えば子どもの学校行事があるとき。お客さまとのアポイントが重ならないようにスケジュールを組めるので、平日の行事でも参加できます」

実際に入社して数年が経過した今では、「“Free to Work”でなければ、きっと私は働くことを諦めていたと思います。本当にありがたい制度です」と今村さんは話す。

画像: ▲「多彩で多才な、あたらしい私たちへ」をスローガンに、誰もが自分らしく働ける環境創りを目指す「Prudential Mimosa Project」のブローチ。今村さんはその支社代表メンバーの一人として活動している

▲「多彩で多才な、あたらしい私たちへ」をスローガンに、誰もが自分らしく働ける環境創りを目指す「Prudential Mimosa Project」のブローチ。今村さんはその支社代表メンバーの一人として活動している

とはいえ、ライフプランナーはフルコミッション(完全歩合)の営業パーソン。入社当初から今村さんのような柔軟な働き方をするには、上長や周りの理解が不可欠なのでは?そう聞くと、今村さんは「岡山支社の皆さんのおかげです」と微笑む。

「入社前、自分が所属することになる岡山支社の支社長と、営業所長と面談させていただきました。他の新人さんと違う働き方になるけど、いいのかな……と思いつつ、『子どもがいるので、母親として育児はしっかりやりたい。子どもとの時間も大切にする働き方がしたいが、よいでしょうか?』とドキドキしながら伝えました。そしたら、あっさり『いいよ』と。ただ、『それを理由に結果を残せないとライフプランナーを長く続けていけないから、時間が短い分は工夫して頑張ろう』って言ってくださったんです」

その言葉にすごく救われたという今村さん。「前職では朝から夕方までフルタイムで働かないと、昇給や昇格は難しかった。でもライフプランナーは、働き方によって評価や待遇が左右されません。『お客さまの人生に寄り添う仕事が、もっと自由な働き方で実現できるんだ』と希望が持てました」

今でも支社長や営業所長は、「僕たちは“妻であり母”のことは100%理解できていないと思うから、遠慮せず全部本音で話してほしい」と、どうしたらママ ライフプランナーである今村さんが短い時間で結果を残せるのか、真剣に一緒に考えてくれるという。

そして、職場だけではなく家族のサポートも大きいという今村さん。

「夫にも感謝しています。夫の周りに保険の話を聞いてくださる方がいれば紹介してくれますし、私が働くことを応援してくれて心強いんです。そして、子どもの存在も大きいですね。ママとしてはまだ未熟な私のことを無条件に好きでいてくれて、辛いときにはそっと寄り添ってくれる。『家族は何があっても私の絶対的な味方だ』と感じられるからこそ、頑張れるんです」

理想とする環境に出会えた今村さんは、仕事と育児を両立して、やりがいを持って働いている。

「過去の私は、働ける時間が制限されることを理由にキャリアをあきらめていました。同じような理由でキャリアや子どもをもつことをあきらめている方に対して、ひとつのロールモデルになっていけたら嬉しいですね」

そう語る今村さんの目には、周りへの感謝の気持ちが溢れていた。


大好きな人に囲まれて、「自分らしく」いられる時間

画像: 大好きな人に囲まれて、「自分らしく」いられる時間

取材中、今村さんの自宅のチャイムが鳴った。

「実は今日、“私らしい場面”を見ていただきたいなと思って、ある人たちを呼んだんです!」……
それは、なんと今村さんのママ友たち。

“ママ友”と聞くと、「お付き合いが大変そう」「関係がギスギスすることもある」などと想像する方もいるかもしれないが、今村さんの「ママ友会」はちょっと違う。

「ママ友の皆さんとは頻繁に会っていて、子育ての悩みを相談したり、アドバイスしあったり。彼女たち一人ひとりが本当に明るくて優しくて、ママである自分にとって、とてもありがたい存在なんです。今日もその会のメンバーのうち、何名かの方が来てくださいました」


一気に家の中が明るく、にぎやかになる。今村さんもこの日一番の笑顔で彼女たちを出迎えていた。そんなとき、ふとママ友さんたちが取材陣に声をかけてくれた。

「私は陽ちゃんに感謝しているんです」「こんなになんでもお話できて、私のことを自分のことのように一緒に考えてくれる人、いないですよ」「陽ちゃんのこと、よろしくお願いしますね!」

そしてみな口をそろえ、「今村さんのことがとても好きだ」と話してくれた。それは今村さんも同じ。

「先ほども言ったように、私は専業主婦というものが自分の性に合わず諦めてしまった。でも、今日集まってくれたみなさんの中には専業主婦の方もいて、子どものことや家のことを最優先に考えている。自分にはできなかったことだからこそ、そこを本当に尊敬しているし、私の仕事を理解して応援する言葉までかけてくれます。そんな彼女たちと、今後もずっとお付き合いしていきたい。私にとって “なくてはならない場所” なんです」

画像: ▲今村さんのために「ママ友会」の皆さんとお子さんたちがかけつけてくれた

▲今村さんのために「ママ友会」の皆さんとお子さんたちがかけつけてくれた


インタビュー・執筆:山口 真央
写真:梶 礼哉

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