前編では、20年以上にわたり信頼を築いている食随筆家・伊藤章良さんとの対談に花を咲かせた、プルデンシャル生命のライフプランナー・矢澤千絵さん。

矢澤さんは、同社で女性として初めてライフプランナーの最高位であるエグゼクティブ・ライフプランナーとなり道を切り拓いてきたが、営業として自分の得意分野を見いだせずに悩んだことも、更年期障害で苦しんだ時期もあった。浮き沈みの多いキャリアを経たからこそ、「お客さまに困ってほしくない」という想いを強く持つようになった彼女の価値観を形成した「出会い」について語ってもらった。


▼プロフィール
矢澤千絵(やわざ・ちえ)

上智大学外国語学部卒業後、大手石油元売企業に就職。2000年にプルデンシャル生命に入社した。



「失敗したくない」から選んだサラリーマンの道。
しかし、選んだ会社を失うという喪失感を味わった

生まれ育った家庭が転勤族で、だいたい3年ごとに環境が変わりながら育ちました。幼少期から人間関係も住む環境もリセットされるという体験を繰り返すことで、「あれこれ先のことを考えすぎても仕方がない」という感覚が染みついたと思います。周りの子が「〇〇になりたい」と夢を語る中、私はずっと「失敗しない人生を歩みたい」と思っていました。何かになりたいというより、安定して長く働きたい。そういう堅実な考え方でしたね。

さらに、両親が非常にシビアな金銭感覚の持ち主だったので(笑)、自分で稼いで、好きなようにお金を使いたいとずっと思っていました。お金に困りたくない――それが働く一番の動機でした。

画像: 「失敗したくない」から選んだサラリーマンの道。 しかし、選んだ会社を失うという喪失感を味わった

「高給取りのサラリーマン」になるために、就職活動では30社を訪問して石油元売企業に入社しました。エネルギー業界に行きたかったわけではなくて、たまたま女性の勤続年数が長かったからです。

入社後はガソリンスタンドへの営業を担当しました。新規開拓ではなく、ルート営業。仕事は総じて楽しかったものの、入社7年目で会社が業界トップの会社と合併しました。顧客や従業員を大切にする会社だったのに、合併相手は株主や一般社会だけを重視していると感じてしまって……。「自分が選んだ会社がなくなってしまった」という喪失感がありました。

そんな中、上司が「みんなを迎えに来るから」と言い残して先にプルデンシャルに転職しました。そしてその言葉通りに、私をはじめ同じ部署のメンバーをスカウトしにきてくれたんです。それがプルデンシャルとの出会いでした。

スカウトの際に私が心を動かされたのは、社員の行動指針である“コアバリュー”の中の「CustomerFocused」(顧客に焦点を合わせること)という言葉。会社トップがミッションやバリューを掲げていても、現場に浸透していない会社はたくさんありますよね。でも、現場の一人ひとりが心から納得した上で、お客さまに貢献する。パッケージ化された商品を売らず、お客さま個人の人生設計に基づいてオーダーメイドで生命保険を提案するのだと説明されました。また、先輩に入社前にインタビューをすることができ、その先輩が「この仕事は嘘をつかなくていい仕事だ」とおっしゃったのを聞いて、「それはいい仕事だな」と思ったんです。

とはいえ、不安は大きかったですよ。両親からは「契約が取れなかったらどうするのか」と10項目もの質問をExcelのシートで突きつけられました(笑)。それらに一つひとつ答え、自分で考え抜いて決めたからこそ、「入社することを自分で選んだのだから、自分の責任で精一杯やり抜く」という覚悟が生まれたんです。

同じ悩みを持っているからこそ、「バリキャリ女性」たちに寄り添える

画像1: 同じ悩みを持っているからこそ、「バリキャリ女性」たちに寄り添える

入社当時は戸惑うことだらけでした。新規営業は初めてだったので、慣れるために活動の習慣づけをひたすら実践しました。もともと人に会うのは苦手でしたが、場数を踏めばだんだんできるようになる実感がわいてきて、とにかく人に会い続けたんです。そうすると、だんだん結果も伴ってきて、2年目からは社内表彰をされるようになりました。そのうちにMDRT(Million Dollar Round Table)という生命保険や金融のプロフェッショナルが集う世界的な組織の入会資格を得られて、同業他社や海外の友人もたくさんできました。

ただ、当時はまだ自分のスタイルを確立することはおろか、「ここは自分の専門領域」と胸を張っている言えるものがなくて。もともと自己評価が低く自信がないうえに、他の優秀な人たちを見るにつけては、「自分はなんてダメなんだ」と比べてしまっていました。

メンタル的に落ち込み、成績が振るわない時期が続きました。これまでの営業スタイルではダメだと感じていた時に、のちに私のメンターとなる社内の先輩との出会いがありました。とてもロジカルな方だと知っていたので、「今、スランプで……。どうしたらいいんでしょうか?」と相談してみたんです。

そうしたら、「過去2年分の営業活動のデータを持ってきなさい」と言われて。そのデータを私と一緒に細かく分析してくださいました。【My Rules①】

分析の結果、思ってもいない事実が浮かび上がってきました。自分では「一部上場企業のサラリーマン」から最も多くご契約いただいていると思っていたのに、実はそれよりもずっと多く「バリキャリ女性」がお客さまになってくださっていた。先輩からは、「これからは7割の力をバリキャリ女性にかけなさい」と言われました。

画像2: 同じ悩みを持っているからこそ、「バリキャリ女性」たちに寄り添える

なぜ私に、バリキャリ女性のお客さまが多かったのか。独身で、親の介護を見据え、自分の人生を自分で設計していこうとする女性たち――私自身がそうでした。「40歳頃までに一定額を貯めよう、50歳頃には結婚せず親の介護をすることも覚悟しよう」、そういった同じ未来予測を持っているからこそ理解し合えるし、寄り添えるんですよね。

私は、お客さまの理想とする老後の生活と現実の資金計画のギャップを、総額ではなく月々のフローとして明確にして、理解しやすいように工夫しています。「老後生活として3600万円足りない」と言われてもピンとこないけど、「仮に90歳まで生きるとして、毎月10万円の生活費が足りない」と言われたら実感できますよね? その10万円をどう補うか、一緒に考えていきます。

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