更年期障害を経てできるようになったこと。
やらなくていいことを削ぎ落として、やるべきことに注力する

「バリキャリ女性」という、自分が力を注げる領域をもてたことで、活路が開けました。女性としては初めて、社内の営業としての最高位になれたときは、「これでライフプランナーとして認められた」という安堵感がありましたね。

ただ、このまま仕事を楽しめるかなと期待していたのに、40代後半からは更年期障害に悩まされるようになりました。体力が落ちたわけではないのに、気持ちがついてこない……。自分で言うのもなんですが、私は我慢強いタイプで業務上の苦手なことも頑張れるほうです。でも、この時期は頑張りや踏ん張りが効かずに、思うように働くことができませんでした。

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苦しい時期でしたが、今振り返ると悪いことだけじゃなかったかなと。この経験のおかげで、お客さまとの信頼関係が深まりました。更年期障害であることを正直に話すと、同年代のお客さまたちが男女問わず「今まで頑張ってきたんだから辛いときは無理しなくていいのよ!」「トンネルを抜ける時が絶対来るから」と励ましてくれて。そして昨年、54歳でやっとトンネルを抜けた実感がありました。今はこの体験を年下の人たちに話して、「辛い時期が来ても絶対に大丈夫だからね」と伝えていますし、男性の同僚にも隠さず話すようにしています。

それに更年期障害を経て、「(へとへとでできないので)やらない」「逃げる」という選択ができるようになりました。そして気づいたのは、自分には「やらなくていいこと」がたくさんあったということ。嫌われたくない、人にカッコよく思われたい……。そんな思いから、やらなくていいことをやり、時間と自分を消耗していたということに気づいたんです。

そして、私には事務処理を担ってくれる、とても優秀な自慢のアシスタントさんがいます。彼女のおかげで営業活動に集中できる環境が作れていますから、とても感謝しています。

今では、全部を頑張る必要はない。やらなくていいことを手放すことで、本当に大切なことに集中できる。だからこそ、長く働くことができると感じています。【My Rules②】

人生を豊かにし、視野を広げてくれた“サードプレイス”の存在

仕事とは別に、私の人生を豊かにしているのが、先にもお話したMDRTの活動です。現在は米国本部の委員も務めています。

もともとは年に1回、仕事関連だと大手を振ってアメリカに行けるのが魅力でした(笑)。でも、結果としてこの活動がいろいろな「扉」を開けてくれたんです。

英語力の向上はもちろん、世界中に友人ができました。そして何より、多様なリーダーシップのあり方を学べたことが大きな収穫です。強い統制力を持っているカリスマタイプ、人を巻き込みながら物事を進めるタイプ、全員の話を傾聴するタイプなど、いろいろな形のリーダーシップを目の当たりにできました。

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仕事への還元も多いですね。コロナ禍には、MDRTのアジアメンバーがやっていたオンライン勉強会を真似て、社内で初めてのオンライン勉強会を主催しましたし、お客さまに世界の金融情勢や、アメリカの現地情報などを伝えられることもありがたいです。

仕事に隣接しているけれど、会社でも家庭でもない、第3の場所「サードプレイス」として私の人生を豊かにして、支えになってくれる存在です。

仕事以外の軸があったからこそ、視野が広がり、人生が豊かになりました。一つの世界に閉じこもらず、複数の世界を持つことで、さらに良い仕事ができると思います。【My Rules③】

ともに年齢を重ねてきたお客さまと、これからも。
悩みに寄り添って、一緒に歩いていく

画像: ▲矢澤さんが老後資金の説明をする際に使っている資料

▲矢澤さんが老後資金の説明をする際に使っている資料

私自身、50代半ばになり、キャリアや人生についてそれまでとは違う観点でいろいろと考える年齢になりました。一緒に年齢を重ねてきたバリキャリ女性のお客さまたちも、人生の新たな局面に差し掛かっている方が多い。最近ではご家族での相続の話し合いに同席したり、お客さまのご両親の介護施設への入居を一緒に説得したりということもあります。

「失敗したくない」という思いから始まった私のキャリアは、いつからか「お客さまに失敗してほしくない」という使命感に変わっているなと感じています。

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特に最近、興味があるのは「介護」です。人生100年時代となって、自分が介護をすることだけでなく、介護されることも想定して、どれだけの時間と労力とお金がかかるか考えておかないといけない。でも、自分が介護されるというイメージを持てているひとは多くないように感じています。

私はまだ介護の経験がないので、実際に介護を経験した同僚やお客さま、介護施設などで働くお客さまにインタビューして実例を集めました。それが誰かの役に立てばいいなと思って社内外でシェアしていますし、今後はさまざまな専門家と連携して、悩んでいる方のお手伝いができるように体制を作りたいと考えています。

一生涯にわたってお客さまの人生の深い部分に寄り添う――それがライフプランナーという仕事の価値です。これからも堅実に、誠実に、自分らしく、お客さまをサポートしたい。それが私の目標です。

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MDRTとは:1927年に発足したMillion Dollar Round Table(MDRT)は、卓越した生命保険・金融プロフェッショナルの組織です。世界中の生命保険および金融サービスの専門家が所属するグローバルな独立した組織として、700社以上、80カ国以上の会員が活躍しています。MDRT会員は、卓越した専門知識、厳格な倫理的行動、優れた顧客サービスを提供しています。また、生命保険および金融サービス事業における最高水準として世界中で認知されています。

執筆:佐伯香織 撮影:宮崎 隼

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