大切な母との突然の別れ……どん底で実感した生命保険の価値
2020年、周さんの人生に大きな転機が訪れた。最愛の母が交通事故で突然この世を去ったのだ。
「あまりに突然で……。3年ほどは、喪失感とさみしさに襲われて、出口の見えない地獄のような日々でした。コロナ禍で仕事もオンラインが中心になった時期だったので、同僚や友人とも気軽にコミュニケーションが取れないなかで、同時に父の介護を担うことになり、孤独感を強めてしまいました。どうやって立ち直っていいのか、本当にわからなかったのです」
人生で最も苦しかった日々に差した一筋の光は、2023年に着任した丹下勇気・高崎支社長によってもたらされた。丹下支社長は、支社を盛り上げる施策として、毎週水曜日の夜、お客さまへの保全電話タイム(以下、保全電話)の実施を呼びかけた。母を失った喪失感で業績も不調だった周さんは、「これを浮上のきっかけにするしかない」と、参加を決意。任意のため、参加者が少人数になることもあったが、前向きな人が集まる中にいることで周さんはエンパワーメントされ、この2年あまり毎週欠かさず継続する力になっている。保全電話のあとには丹下さんが参加者を食事に連れて行ってくれる温かい雰囲気もあった。
「支社長は『ポジティブモンスター』と呼びたくなるほど、とにかく前向きな方。『周さんならもっとできるよ』と、いつも明るく声をかけてくれました。それに、支社長として明確な軸を持ち、強いリーダーシップでぶれない支社経営を行う丹下さんの姿を見ていて、『この人のもとで自分も突き進みたい』と感じるようになりました。だからミーティングで丹下さんから社内コンテストの話を聞いた時、『私も入賞したい』と強く思ったんです」

▲丹下 勇気 高崎支社長(右)
しばらくコンタクトがとれていなかったお客さまに、状況の変化の有無などを聞く保全電話。引き継いだお客さまのなかには、加入後に担当者が複数回変更となり、プルデンシャルに対して不信感を募らせる方もいた。電話口でお叱りを受けることもあったという。
「もともとはプルデンシャルやライフプランナーを信頼してご契約いただいたのに、担当者が変更になった落胆やさみしさがあると思うのです。それでもご契約を継続していただいていることへの感謝をお伝えしたい。いざというときのために、今の担当者がどんな人間なのか知っていてほしい。なので、『せめて名刺をお渡しさせてください』とお願いして、おうかがいします。電話口では強い口調だった人も、対面でご挨拶すると表情や対応が変わってくるケースも少なくありません」
保全電話やお客さまへのアフターフォローを通じて着実に結果を積み上げ、2023年には入社15年目にして初めて社内コンテストで入賞した。周さんはこの結果については、やはり母の死が大きかったと話す。
「大切な家族を突然亡くして悲しみの淵にいるときでも、残された家族はただただ泣いてはいられないんです……。母が加入していた終身保険の死亡保険金は私が受取人だったのですが、葬儀費用や父にまつわる費用など、すべてその保険金で対応できました。お金で命は買えませんが、残された家族が経済的な心配をしなくて済む。これこそが生命保険の価値だと、身をもって体験しました。このつらい経験により、説得力をもってお客さまへもお伝えできるようになりました」
周さんは、プルデンシャルが掲げる『お客さまが経済的な保障と心の平和を得ることができるよう、最高のサービスを提供する』というミッションに改めて強く共感したという。
「大切な人を失うという人生において不可避な場面において、金銭的な部分で遺されたご家族の負担を減らしたい」。その思いがライフプランナーとしての使命感や原動力となり、周さんの言葉に重みがでた。すると結果が伴うようになり、周さん自身も変わり始めたと丹下支社長も目を見張る。
「まず、とてもつらい経験を乗り越えようとする周さんがすごいですよね。2023年の1年間で小さな成功体験が積み重なり、周さんの発言も表情も変わってきました。2年間保全電話を続けたら連絡するお客さまも減ってくるはずなのに、今も欠かさずに継続しています。自身で決めたことをやり抜く姿勢は誰かが教えられるものではなく、周さん自身の素質。彼女の変化と変わらぬ素質は、支社にもポジティブな影響を与えてくれています」(丹下支社長)

結果を出すことが一番自分をリラックスさせる方法だと気づいた
社内コンテストでの入賞後、周さんの働き方にも変化が生まれた。その背景にあるのが、プルデンシャルの『C=C(貢献/contribution = 報酬/compensation)』という考えのもとに作られている報酬制度と、「時間や場所に縛られずに働くスタイルは自分で決める」という「Free to Work」な就業環境だ。
「経歴に関係なく、自分の努力で人生を切り拓いていけるのがプルデンシャルのよさだと実感しています。日本社会でどうやって生きていこうかと悩んだ時期もありましたが、ここで居場所を見つけられました。
その言葉通り、周さんの1週間は仕事が中心ながらも、プライベートも充実している。プルデンシャルでは、月曜と木曜の午前中以外に出社の義務はない。周さんの場合、月~金曜日はお客さまとのアポイントを入れることが多いが、水曜日の午後は心身を整えるピラティスに行き、リラックス。自宅で夕食をとり、ポジティブなエネルギーが満ちた状態で出社し、2時間の保全電話に挑む。

▲ パープル:仕事 イエロー:プライベート
土曜日は、平日は仕事で時間がとれないというお客さまと午前中にお会いし、午後からは大親友が住む東京に行き、ランチ~ディナーまで話に花を咲かせているという。
「友人関係は深く狭くなので(笑)、大親友に会って話すことが私にとっては最大のリフレッシュなのです。新幹線に乗れば東京まで1時間弱ですから。こういった時間を持てることも、結果を残せるようになったからだと感じます」
今を全力で生きる。それが未来につながっていく

入社15年目で結果を出した、いわば「遅咲き」の周さん。これまで仕事を辞めたいと思ったことはなかったかを問うと、迷いもなく否定した。
「負けん気が強いので、なんとかこの仕事に食らいついていこうと思っていました。それに何より、お客さまに寄り添うことができるこの仕事が好きなんです。入社後すぐに結果を出す人も多い中で、私はコツコツと活動を続けてきました。それが今につながっているし、そんなスタイルの営業がいてもいいと思うんです。他人の意見や周りの目を気にしていた頃もありました。
結果も自信もついてきた今、将来をどう考えているかを聞いたところ、堅実な周さんからは想像しなかった、意外な答えが返ってきた。
「人生ってなにか起こるか、わからない。今この瞬間が点になり、それが線になって、人生が描かれていくと思うんです。あまり先のことは考えず、今を全力で生きることが大切。せっかく結果が出始めたので、これを崩さず、ライフプランナーとして思いっきり仕事を楽しんでいきたい。今の積み重ねが、きっと未来につながっていくはずです」

執筆:佐伯香織 撮影:梶 礼哉