会社員を続けてきたという自信が、独立を支えてくれた

DJ Nobby:はい。Voicyの社長とは、Voicyはじめさまざまな音声配信サービスが立ち上がりはじめた2017年頃に出会いました。まだ、チャンネルのフォロワーが300人いたら人気番組だと言われていたような時期です。チャンネルを作って番組をやってみないかと誘われ、僕の経歴を踏まえて「経済をテーマにやってみたらいいやん」とアドバイスをもらいました。

そのアイデアから生まれたのが、冒頭でもご紹介した『きのうの経済を毎朝5分で!』。「この番組を聞くと何がわかるか」を示したほうがいいというアドバイスを受けてこの番組名にしたところ、見事にリスナーがついてきてくれて。すると、スポンサーもついてくれるようになりました。「経済的に成り立つ番組って、こうやってつくるんだ」と教えてもらいましたね。

DJ Nobby:そうです。当時の僕は、経済というテーマに関して、自分の発信に価値があると思っていませんでした。金融業界で経済ニュースのことをしゃべれる人は山ほどいるし、僕よりも詳しい人のほうが多いから。でもやってみたら「幅広い金融業界のことを知っている」という部分も含めて評価してもらえたんです。

DJ Nobby:「新しい番組をやりませんか?」というお誘いがきたことがきっかけでした。その頃、ちょうど管理職としての仕事との両立が体力的にも精神的にも厳しいと感じていて。

独立しないといつか後悔するとは思っていました。でもタイミングがずっとつかめなかった。またしてもお声がけが背中を押してくれました。

DJ Nobby:もちろんありました。当時40歳で、それなりにいただいていたお給料が0になる状況。ちょっとシビれますよね。でも40歳までしっかり会社員として働いてきた自信が、決断を支えてくれました。人手不足の世の中だし、いつでも会社員に戻れる力はついているだろう、と。

毎日定時に出勤するのは、会社員だと当たり前。でも身を置く世界を変えると、それを続けられることって意外と当たり前じゃないんですよね。フリーランスの世界は時間も働き方も自由だからこそ、やると決めたことを自律して続けられる人は強い。会社員としてやってきた当たり前をフリーランスの世界でもちゃんと続けていくことで、信頼を積み重ねられていると思います。