SNS全盛の現代。興味のある分野を容易に掘り下げられるメリットがある一方で、誰かが誰かを批判したり、一方的に攻撃するアクションを見かけることも珍しくない。そんな時代に育ったからこそ、「自分に矢印を向けることが大切」と、パーソナルトレーナーの児玉凛来(こだまりく)さんは話す。

児玉さんは、フリーのトレーナー、UNDERARMOURの公式インストラクター、モデル、インフルエンサーと多方面で活躍する女性。その働き方をみると、流行りの“パラレルキャリア”のように思えるが、あくまでも軸は“トレーニング“に置いているという。

トレーニングを通して身体が変わったことで自信がつき、前を向くことができたという自身の経験を多くの人に体感してもらうため、彼女はフリーのトレーナーとして独立する道を選んだ。自分に矢印を向け、一歩ずつ前に進む彼女の生き方とは――。


トレーニングは人の「内面」も変えていく。それを伝えたい

児玉:ありがとうございます!学生時代から、海外の方が引き締まった身体でバシッとお洋服を着こなす姿に憧れていました。ただ細いだけの身体ではなくて、体幹があって姿勢が良く、チラッと見える腹筋の線がとてもカッコよくて。その憧れがトレーニングを始めた一つの動機でもあります。

学生の頃に一度太ってしまった時期があったんです。「これは私の理想とする姿じゃない……なんとかしなくちゃ!」とトレーニングを始めたら、自分の見た目が変わっていくことが嬉しくなって、どんどんハマっていきました。

児玉:はい。その時に指導していただいたトレーナーの方が、「せっかくなら、ボディメイクの大会に出るとか目標をつくったらもっと楽しいんじゃない?」と言ってくれたことがきっかけでした。大会に出場するために本格的なトレーニングをするようになりましたね。

そのトレーニングを通じて知ったのは、「“ボディメイク”とはよく聞くけれど、身体って本当につくれるんだ!」ということ。そして、外見だけじゃない、内面の変化にも気付いたんです。

児玉:そうなんです。身体が変わることで心に余裕が出たり、人に優しくなれたり、自分の気持ちが変わっていくことを何よりも実感しました。やっぱり、見た目が美しくなるのはすごく嬉しいし、いつの間にか内面まで整っていく。

そこから、だんだんと身体をつくる側、つまりトレーナーの仕事に興味が湧いてきたんです。自分のトレーナーさんに“教える技術”も教わりながら、大会実績も積んでトレーナーを目指すようになりました。

トレーナーが仕事となった今は、「トレーニングは自分の内面や、生活習慣をも変える力がある」というのをお客さまに実感していただくことがやりがいになっています。自分が身をもって経験しているからこそ、多くの人にトレーニングが日常にあることの素晴らしさを伝えたい。そんな想いで活動しています。

児玉:はい。日本の“トレーニング”に対する意識が変わればいいなと思っています。

例えば海外だと、会社の中にジムの設備があって、出社前だったり、昼休みの気分転換だったり、日本よりもライフスタイルに運動が溶け込んでいる。

いきなり海外のようなスタイルは無理でも、仕事の休憩中に簡単なストレッチや深呼吸をするとか、そういうことをするだけでも自律神経が整って、ずいぶん気の持ちようも変わると思うんです。

一人が変われば、それを見た他の人も始めたくなるかもしれない。そうやってちょっと身体を気遣う人が増えて、いい循環が生まれるといいなという思いでそのメッセージを発信しています。