カテゴライズされてきたからこそ、私はしたくない。それが今の福田萌子の生き方につながっている
福田:「ひとことで言えるなにか」を持っていなかったからです。例えばお医者さん、弁護士さん……私は、そういうわかりやすい肩書きは持っていません。でも、肩書きって自分を表現するパーツでしかないと思うんですよね。肩書きに人間性は宿らないと思うんです。
スポーツトラベラーだからこういう人間である、っていう考え方じゃなくて。スポーツトラベラーで、モデルで、いろいろやっている私が福田萌子です、と。
この記事を読んでくださっている方も、きっと色々な肩書きをお持ちだと思います。「会社員」「親」「〇〇にちょっと詳しい」みたいなものだって肩書き。肩書きはたくさんあって、その人を知る手立てのひとつでしかないと思うんです。
福田:そう言っていただけると、すごくうれしいです(笑)。ルーツの話のように、自分がカテゴライズされて苦しんだ経験があるからこそ、物事や人を見るときに、カテゴライズはしたくないと思っていて。フィルターをかけずに、目の前に見えている事実や、聞いたことをそのまま素直に受け止めたいんです。
「社会の普通」という観点だと、かつては「女性はこうあるべき」という認識って、とても大きかったですよね。女性は家の中で細かい仕事をして、力仕事は男性がするものという考え方。けれど、それは仕事の幅が広がった現代においては古い価値観といえる。
私自身、昔からこういった画一的な考え方にずっと違和感があったんです。今は、性別など関係なく、やろうと思ったことにはなんだって挑戦できる時代だと思います。
福田:「毎日」が私にとってターニングポイントです。その日に感じた何かで自分の意識や行動が変わって、それが未来のどこかにつながっていくかもしれない。だから、どこか一つの時点には決められないですね。
それはきっと、あなたもそうだと思うの。いろんな人と会って、いろんな経験をして、それで気づいたことがたくさんあるでしょう?
福田:自分の意識が少し変わったなら、今日はあなたにとってのターニングポイントなのかもしれませんね。私がそのきっかけと言っていただけて、とてもうれしいです!
私はいつか長い人生を振り返ったときに、「あの日が私のターニングポイントだったんだな」って思えるような毎日を過ごしていきたいって思っています。