当たり前のようにあった「風景」が開眼のきっかけに
初めての営業職に挑戦することになった根岸さんだが、大阪は地元ではなく、知り合いは少なかった。それでも、わずかな知り合いを頼り、一つひとつご縁をつないでいく。お客さまに「死」を語る場面では、弟を思い出して涙があふれることもあった。それでも、根岸さんの真摯な姿勢は、お客さまからの信頼につながっていった。
キャリア初期から成果を上げ、社内表彰もされた。しかし、達成感は一瞬だった。年度末を迎えると、その翌日には成績はゼロにリセットされる。「もうあれほどがんばれないんじゃないか」――。不安がつきまとった。それでもがむしゃらに走り続け、ライフプランナーの最高位であるエグゼクティブにも認定された。一方で、がんばるほどに周囲との温度差を感じ、精神的に孤立していくようになる。自分を見失い周りが見えなくなっていたのだ。
孤独や虚無感と闘い続ける中、根岸さんを救ったのは、高い成果を挙げながらも周りに目を向け、仲間とともに研鑽を積む先輩や同僚だった。特にメンターとして慕う先輩は、遠方に住んでいるにもかかわらず、根岸さんを気遣い、指針となるような言葉を贈ってくれた。そして根岸さんは少しずつ変わっていく。
答えを探すために自分と必死で向き合ってきたが、ふと目線をあげるとプルデンシャルに根付く文化に目がいくようになった。お互いを称賛し合い、励まし合い、仲間のために惜しみなく自分の知見やスキルを分け与える。そんな “いつもの風景” に有り難さを感じるようになっていた。
長く苦しんできた自己探索が終わり、自分のすべきことが見えてきた瞬間だった。
信頼できる仲間と、自分の心が踊ることに全力を賭けよう――ライフプランナーとしての目標が決まった。
生命保険を通じて実現する、
『心と事業の承継』と『時代に合わせたバージョンアップ』
さらに、根岸さんのキャリアの転機を後押ししたのが、長年伴走していたアパレル企業の経営者の発言だった。
「実は、売り上げ一兆円を目指そうと思っているんです」
その発言を聞いた時に、根岸さんは喜びと共に大きな衝撃を受けた。
「創業から見てきた企業がどんどん成長し、お客さまが真剣に経営者として手腕を磨いていく中で、『私はこの方の担当でい続けられるのか』という危機感に襲われました」
50歳という節目を目前に、改めて「自分がお客さまや社会に本当に役立てることはなにか」を熟考した。そして浮かび上がってきたのは、おじと父の会社のこと。
経営者の事業承継をサポートしたい。事業を畳むという苦い原体験が、ライフプランナーとしての使命に接続した瞬間だった。根岸さんが定義する事業承継とは、単なる株対策や納税資金の準備や、事業というバトンの受け渡しではない。
「私が大切にしているのは、経営者の想いを引き出し、整理してカタチにすること。それを次世代につなげることが、私の考える事業承継です」
根岸さんが目指すのは、「『心と価値の承継』と『バージョンアップ』」。
事前の対策から承継の実行、そして承継後の企業成長の支援を含む、長期のプロセスだ。単に承継するだけでなく、事業の軸となる価値観を踏襲しながら時代に合わせたバージョンアップを目指す。
生命保険は、個人はもちろん、法人にとっての保障も備えることができる。例えば、事業承継の資金、役員や社員の退職金、経営者の勇退後の生活資金などを確保するための手段となる。一方で、税務と法務の観点を加味しながら、経営者ごとに最適なを設計し提案するためには、深く経営者のことを知り、担当者の幅広い知識と手腕が求められるという側面がある。
加えて、生命保険を超える領域のサポートが必要になるケースも多い。遺言書の作成、定款の整備、株式の譲渡、家族間の合意形成、さらには承継後の組織ガバナンス。そのために根岸さんは、経営者ごとに専門家とタッグを組む。
「私は勝手に『アベンジャーズ』と自負しているのですが(笑)、税理士、弁護士、司法書士、M&Aコンサル、組織コンサルなどの各領域の専門家とともに、案件に応じた最適なチームを編成します。やはりその道の専門家の力を借りることがお客さまにとって最適な選択肢ですから」
通常、専門家の多くは自分の専門領域に特化する。特に税務や法務などは法律に則りながらシステマチックに動く面も大きい。そのため、全体を俯瞰しながら経営者の心情や家族関係まで含めて采配する「指揮者」は空席になりやすい。根岸さんは、その席にこそライフプランナーが立つべきだと考えている。
「経営者の本音や家族の感情、『本当はどうしたいのか』という想いを拾い上げて、事業継承というプロジェクト全体に魂を通すのは、日々お客さまに寄り添い、その声を傾聴して保険金を確実にお届けすることをミッションにし長きに渡りお節介を焼き続けている私たちにしかできません。傲慢な物言いかもしれませんが、心からそう信じています」
実際、事業承継の現場では、数字だけでは解決できない問題が山ほどある。
百戦錬磨の経営者であっても、親族だからこそある長年の感情のもつれとすれ違い、後継者に承継することへの不安、先代の経営への執着などさまざまだ。根岸さんは、その一つひとつに向き合い、対話を重ね、合意形成へと導いていく。
「私たちライフプランナーは経営者の想いを形にし、会社と家族の未来を守り抜くー承継は生命保険の価値を存分に提供できる領域です。ご支援において保険の範疇を越えることは日常茶飯事で、私も社内の先輩方に指導いただきながら日々勉強中です。でも、難しいからこそ、挑戦のしがいがあるじゃないですか」