約4.4組に1組、パーセントに直すなら22.7%。 この数字は、実際に不妊の検査や治療を受けたことがある(または現在受けている)夫婦の割合だ。そして不妊治療をしたことがある(または予定している) 働く人のなかで、「仕事との両立ができない」と回答した人の割合は、26.1%にのぼる*。そしてその多くが、「子どもを授かりたかったが諦める」という選択をする。
今回の主人公、プルデンシャル生命のライフプランナー・小峯亜希子さんは、結婚当時に「自分たちで子どもを授かるのは難しい」という答えを出していた。そして「ならば、いつかは養子を迎えたい」とも。
「それを叶えるのが、今、ここでよかったと思っているんです」。
2024年、特別養子縁組を経て母になった小峯さん。この言葉の意味と、これまで、そしてこれからを聞く。
*不妊治療に関する数値は、厚生労働省 令和7年度「不妊治療と仕事との両立サポートハンドブック」をもとに記載
過去の経験は無駄じゃない。ちゃんと今につながっている
保育士から外資系生命保険会社への転職。毎日の“制服”は、エプロンからパリッとしたスーツに変わり、はじめは戸惑うことも多かったという。
「大学は保育科、前職も保育士でしたから、当時の私には保育園以外のコミュニティがありません。一般企業に勤めていたほかの新人ライフプランナーたちは、大学や前職などのつながりでどんどんアポイントを取りお客さまを増やしていくなか、私だけ取り残されている気がして。正直、やばいと思いました」
しかし、ここで小峯さんは諦めなかった。
「努力をすれば実ることを高校生の頃に学びました。だから、またあのときみたいに必死になってみようと思って――」
小峯さんは、異業種交流会や個人事業主が集まる会に参加するなどして、少しずつ人脈を築いた。そして、社内では自分のお手本となる方からスキルや考え方を学ぶべく、ライフプランナーの最上位資格であるエグゼクティブ・ライフプランナーと積極的なコミュニケーションをとることにしたのだ。
「新人の頃、私と同じ営業所に超ベテランのエグゼクティブ・ライフプランナーの方がいました。たくさんのお客さまがいて、知識も経験も豊富で。キャリアの浅いライフプランナーは、恐れ多くてあまり話しかけられない人も多かった。でも、私は怖いもの知らずな性格なので、あえてその空気を読まずに、同期の女性ライフプランナーと一緒に、3人でランチに行かせていただいたり、どんどん質問しにいきました。本気でライフプランナーとしてやっていくと決めたからには遠慮している場合じゃないし、成功している方から直接教えていただくのが成功への近道だと思ったんです」
そして今では、小峯さんはそのエグゼクティブ・ライフプランナーのお客さまを一緒に担当する「2ndLP(セカンドライフプランナー)」の一人に指名されている。これは、ベテランのライフプランナーが自身の定年などを見据え、自分よりも若い世代に時間をかけて少しずつ顧客を引継いでいく仕組みだ。小峯さんは、新規の個人のお客さまの大半を任せてもらえるまでになったという。
小峯さんはさらに、前職での経験が今の自分につながっていると話す。
※1 生命保険のご契約者さま(保険契約者と被保険者が同一の場合)に“万が一のこと”があった時に備えて、「誰に」「いつ」「どのように」「いくら」保険金を支払うかを事前に設定していただくことで、保険金の受取人の方がうまく財産管理ができない場合であっても、生前にご契約者さまが決めた通りに保険金をお渡しすることができる仕組みです。
お客さまと、「お互いの人生を応援し合う関係」を築く
異業種から金融の道に入った小峯さん。入社時は苦戦したものの、その後は現在にいたるまで一貫して好成績を残し続けている。小峯さんにその秘訣を聞くと、「お客さまと私が、お互いの人生を応援し合う関係を築くこと」 という言葉が返ってきた。
「お金のイメージをするときに、大半の方は『現在』と『少し先』のことしかイメージできないと思うんです。でも私は、ライフプランナーとして、人生の大先輩である60歳、80歳のお客さまとも接します。その先輩たちがその歳になってリアルに何を考えているのかを知ることができますから、それをお客さまにもお伝えします。将来を想像するお手伝いをさせていただくんです。私自身の人生観もお話することで、初めは警戒していた方が、徐々に心を開いてお客さまになってくださって、お互いの人生を応援し合えるような関係が築けたときに、何よりも幸せを感じます」
人と接することが好きで、ご縁がつながり、広がっていく毎日にワクワクするという小峯さん。「自分にとって好きなことをする手段が、たまたま保険の仕事だったのかもしれない」と話す。
「この仕事をしていなければ出逢えなかった方々と、公私ともに仲良くさせていただけることがとても幸せです。毎日のようにお客さまと“お互いの人生”について語り合い、私も多くの刺激をいただきます。お客さまから、『小峯さんがいなくなったらどうしよう……』 とおっしゃっていただく度に、『試行錯誤しながらこの仕事を長く続けよう、信頼される自分でいよう』。そう思えるんです」