誰もが「ちがう」想いや悩みを持って⽣きています。でも、もしかしたら誰かが導き出した答えが、あなたの答えにもなるかもしれません。「根ほり花ほり10アンケート」では、さまざまな業界で活躍する“あの人”に、10の質問を投げかけます。今回は、実業家でSHOWROOM株式会社代表取締役社長・前田裕二さんが登場。
きっと、「みんなちがって、みんなおんなじ」。たくさんの花のタネを、あなたの心にも蒔いてみてくださいね。
前田 裕二(まえだ・ゆうじ)
1987年東京生まれ。2010年に早稲田大学政治経済学部を卒業後、UBS証券に入社。11年から米国ニューヨーク支社に移り、北米の機関投資家を対象とするエクイティセールス業務に従事。その後、13年5月、DeNAに入社。同年11月ライブ配信プラットフォームSHOWROOMを立ち上げる。15年8月に会社分割によりSHOWROOM株式会社設立。2017年に初の著書『人生の勝算』を出版し16万部超のベストセラー。近著の『メモの魔力』は、発売2日で17万部、現在76万部突破(電子版含む)。
元々夢だった投資銀行での海外勤務中に、親戚の死を受け「人生ははかない。自分の生きた証しを世の中に残せるような、代替不可能な仕事をしたい」と起業を決意。弾き語りの経験があった事から、表現者が誰でも自助努力次第でその表現で食べていけるようなプラットフォームをつくりたいと思い、SHOWROOMをつくりました。
やりがいや楽しみは、自分達の価値発揮によって、確かに誰かの人生が変わっている手触りを得ることです。
『人生の勝算』
最初に出した本のタイトルで、大切にしている言葉です。自分自身、人生のあるタイミングまでは、勉強の勝算/受験の勝算/就活の勝算/仕事の勝算、など、狭い視野に囚われて、その結果の良し悪し如何程度の事で一喜一憂していました。が、ある時から、一歩引いて見る癖が付き、例えば何らか失敗したり上手く行かない事があっても、「人生」全体で考えればそれは必然で、人生で起こる事は全てが良き事なのでは、と思うようになりました。特に自分は、幼少期に経験した悔しい思いを、勝算の要因に変えていこうという強い意志があります。
「もはや、人に実は自由意志などなく、到達地点は決まっている。その中で、自分がそこに行くまでのルートをただ選び取っているだけ。どう転んでも自分は絶対に山頂に到達すると思っている」というメンタリティが、正確な内省描写です。なので、ある種肩の力が抜けていて、選んだ選択肢が絶対に正解であり、その後の自分の行動がそれを正解にする自信があります。
大前提として、休日明けの朝、というか土日に、仕事したくてウズウズしてたまらなくなるような仕事を見つけられるといいですね!……と思いつつ、人間は弱いからそうでないこともある。そんな時は、「1歩目が1番難しい」というのを思い出してください(まず動き始めたら嫌な事も段々楽しくなってくるのが世界の真理だから)。
全くダメではなくて、それをダメだと言う大人の方がダメだと思います。やりたいことなんてない方が普通です。でももしやりたいことを見つける秘訣があるとしたら、自分の「Can(できる)」を愛でることです。
どんなスーパーアーティストだって、そのDay1を想像してみれば、最初は歌を褒められて嬉しくなって歌手を目指すようになったはずだし、野球選手だって、最初は打てない投げれないところからできる自分を見つけて嬉しくなって、初めてそこで壮大な目標を持つに至るんだと思います。つまり、やりたいこと≒目標は、【できる→褒められる→好きになる→目標/夢ができる】の順番を踏むのが大切だと思っていまして、まずは興味ある領域において、「できること」を開発してあげるのが自分の未来に対して最も優しく筋の良い作戦だと思います。
先が見えないから不安になるのではなく、先ばかり考えるから不安になります。未来でも過去でもなく、今を生きましょう!
時間もお金も、優先順位だと思っています。自分は優先順位を9マスのマトリクスで整理していて(縦に重要度、横に時間軸)、自分の中で腹落ちしながら時間やお金を使えている状態を保っています。
時間については時間密度という考え方を重要視していて、同じ1分でも、沸騰したヤカンを触ってる1分は耐えられないけど、好きな人といる1分は早くすぎるように、流れる時間は異なります。特に時間あたりの成長密度と幸福密度が高くなる方法を日々観察、研究していて、取り入れるようにしています。
2つのメッセージを送りたいです。
ひとつは運と縁に加えて「タイミング」を大切にすること。もうひとつは、自分の才能や得意なことを人生の早い段階から誰より真剣に客観視して見極めること。すなわち、人生をかけて追うべきミッションや天命について誰より真剣に考えること。
児童養護施設を作ってそこから起業家やスターを沢山輩出したいです。自分の半生で学んだことを全て子ども達の成功の為に全力インプットしたい。親がいなくなった子どもたちだったり、本人の意志や行い関係なくチャンスを奪われた子達が、むしろ勝ちやすくする仕組みを作りたいと考えています。
自分らしく生きられる人、を増やすことです。「本当は〇〇がやりたいな」と思ってるけどその夢にフタをして、目を背けてきた人が、年齢や立場に関わらず、またその夢を追いかけられるきっかけになれるのが1番幸せだし、それが自分が仕事をしている中で1番大切にしている価値観であり、自分らしさです。
編集者コメント
どの質問にもズバッと回答で背筋が伸びました。特に、⑥の「先ばかり考えるから不安になります。未来でも過去でもなく、今を生きましょう!」という回答でハッとさせられました。何かが起こるかもと怯えて過ごしていましたが、それよりまず「今」を見て一歩一歩未来へ進もうと思うことができました。皆さんはどの回答が響きましたか。前田さん、回答くださり、ありがとうございました!