「夢中になれる仕事がしたい」そう思っていても、理想と現実のギャップを目の前に、本当にやりたい仕事はどこにあるのかと思い悩む人は多いのではないだろうか。しかし一方で、限られた時間と労力の中で、仕事に誇りを持ち、自分らしく働く人もいる。

今回お話を伺ったのは、プルデンシャル生命の営業社員であるライフプランナー(以下、LP)として働く、中西美貴さん。現在2人のお子さんを育てるママLPで、この春に3人目が誕生する予定だ。

中西さんは入社以来、常に高い営業成績を残し続け、仕事に誇りを持つLPのひとりでもある。結婚、出産、育児とライフステージが変化する中で、中西さんはなぜずっと「変わらずにいられる」のだろうか。そのカギは「長年続けてきた競技チアリーディング」と「家族」にあるようだ。社内外の多くの女性から「ロールモデル」と慕われる中西さんの素顔とは。

前編:チアから学んだ大切な「軸」と「考え方」
後編:支え、支えられている。かけがえのない“家族”(←今回の記事はココ!)

「子どもには選択肢を与えてあげたい」。LPだから実現できること

これまでも2人のお子さんを育てながらのLP業だったが、今後は3人のママになる中西さん。そんな中西さんには、LPだからこそ実現できた子育ての選択肢があるという。

「子どもを、保育園ではなく幼稚園に入園させたんです。LPはFree to Workなので、幼稚園が終わる時間にお迎えに行けます。どちらが良い悪いということではなくて、私にとっては『幼稚園も選べた』ということがとても大きかったですね。LPという時間に縛られない仕事だから、選択肢が生まれる。それって、子どもの選択肢も広がるということかなと思うんです」
※自分のスケジュールをほぼ自由に決められるというもの。

「私は4人姉妹だったので、実家の家計は決して楽ではありませんでした。高校までは公立に通う選択肢しかなかったし、姉たちは大学の学費は自分で払っていました。私だけが奨学金をもらいながら大学に通い、部活をさせてもらっていたんです。それもあって、自分の子どもにはたくさんの選択肢を与えてあげたいなと。自分の常識で子育てはしたくないし、子どもたち自身が興味を持ったことは、背中を押して挑戦させてあげたいと思っています」


中西さんが心から信頼し、尊敬する「夫」の存在

<ご本人提供> ご家族との一枚

「子どもには選択肢を与えたい」という考えは、中西さんひとりの意思ではなく、二人三脚で歩む夫の理解と協力があるという。中西さんは繰り返し「私は夫のことを尊敬しているんです」と話してくれた。

「我が家の2人目の子どもがダウン症なんです。妊娠初期に出生前診断をしたら、ダウン症の確率が高いという判定が出て。もっと精密な検査をするかどうか悩んでいました。そしたら夫が『どっちにしても産むやろ』って。その後、『ダウン症の子って、かわいいねんで!』って言ってくれたんです。このとき私は『あぁ、この人と一緒なら大丈夫だ』って思えました。妊娠中は不安でいっぱいだったけれど、夫が一番の理解者であり、一番の味方でいてくれたんです」

その言葉に背中を押され、2人目のお子さんを無事に出産。旦那さんも育児には“超積極的”だという。
「ここ数年は、私が仕事をして、夫が子育て……という分担になることがほとんどでした。だからそれに比例して、夫より私の方が営業成績が良かった。同じ社内ですから、それは周知の事実です。最初は、私も『子どもを旦那さんに任せといていいの?』と言われたし、夫も『奥さんに負けて悔しくないの?』と言われることもあったと思います。でも夫はそのたびに『いや、ミキティ(中西さんのあだ名)すごいんですよ!』とサラッと言う。そして家族にはいつも明るく接してくれる。そんな夫を心から尊敬していますし、私は夫がいるから頑張れるんです」


「人は人で磨かれる」。自分なりの恩返しがしたい

中西さんは、この取材の少し前の年度末まで仕事を詰め込んでいた。

「支社の皆さんは『妊婦なんだし、そこまでやらなくてもいいんじゃない?』って言ってくれるんですが、できるだけのことをやっておきたいんです」と中西さん。

「朝は夫と分担して家事をこなして9時頃出勤、夕方までに2~4件くらいのお客さまとの面談をして子どもたちのお迎え。夜は基本的に自宅でできる電話対応やご契約のフォローをして……というのが基本のルーティンです。そういえば最近は、社内外の女性の方から『話を聞かせてください』と連絡をいただくことが多くなって、ランチの時間に連絡をいただいた方と過ごすことが増えてきました。その流れで講演会などのスピーカーをさせていただくなど、活動の幅が広がって楽しいです」

社外の女性同業者が、中西さんにどんな相談をするのだろうか?

「『この業界で長く活躍するためには』といったご相談が多いです。お客さまとの接し方や目標設定といったことはもちろん、ご自身のキャリアや仕事と子育ての両立、妊活などで悩まれている方もいますね。女性は人生の選択肢が多いからこそ、岐路で悩むことがあると思うんです。女性同士だから深い話ができたりする。プルデンシャル社内はもちろんですが、会社の垣根を超えてお役に立てたらいいなって」

そこには、中西さんの“恩返し”の想いがある。

「『人は人で磨かれる』と思っています。私自身は、士気が高い先輩や仲間と出会って、たくさんの刺激を受けたことで磨かれたんです。人の能力は、身を置く環境や、出会う人によって花開くものだと思うので、自分を頼ってくださる方の相談事に向き合うのは、自分なりの恩返しのようなものかもしれません」


中西さんの「My Rules」

社内外の女性から「ロールモデル」として頼られる中西さん。そんな中西さんの「My Rules」はどんなものだろうか。


「まだ見ぬ世界」を経験する

「まだ経験したことのない、たくさんのことを経験したいんです。心が動くような 新しい世界を見に行くこと、時には勇気を出して挑戦することが、私にとっての“自分らしさ”なんだと思います。その経験を積んだ自分をもっと好きになれるかもしれない」

その思いの裏には、中西さんのお母さまの言葉があった。

「チアの全国大会や世界大会には、母も連れて行っていました。私の実家は地元で印刷業をしていて、母は自営業で仕事をしながら4人の子育てをしてくれました。そんな母にせっかくの大舞台を見てもらいたかった。ある大会のあと、母から『新しい経験をさせてくれてありがとう』と言われたことがあるんです。『私一人じゃこんな景色を見られなかった』って。私も妻になり、母になった今だから分かります。子どもや家族を通して、私自身も新しい経験ができるんですよね」


家族のために時間とお金を使う

「『私、頑張ったな』と思ったら、家族と過ごす時間……とりわけ外食によく出かけます。家族との穏やかな時間って、自分の心に余裕がないととれないものかなって。だから自分がうまくいって、幸せなときは家族と過ごしたいし、私にとって最大のご褒美なんです。家族のために、時間とお金を惜しみなく使えるのも、この仕事のよいところだなと思います」

友人家族とキャンプにいったり、年に数回は家族で旅行に出かけるそうだ。

「私にとっては、仕事も家族もどちらも欠かせないものです。両方バランスが取れていることで『幸せだな』と感じられるのかな」


自分と向き合う期間を作り、「自己肯定感」を上げる

「これまでに2回、産休・育休をいただいていますが、そのたびに自分と向き合う期間にしています。営業はやっぱり数字勝負。数字を追いかけることから離れたときに、どうやってモチベーションを保つかを考えます」

「例えば2人目出産後に劇的に太ってしまったとき、『毎日ランニングをする』と決めました。私は“誰にでもできることを、誰よりも長く続ける”ことについては、変態的に(笑)長けています。自分で決めたことを続けられると、自己肯定感が上がっていくんですよね。それに気づけたのも、自分と向き合う時間が作れたからかなと思います」


「家族にも友達にも言えないことが、言える」 お客さまにとって、そんな存在でありたい。

最後に、中西さんに「“自分らしく働けているな“と感じる瞬間は?」と聞くと、「お客さまから、”家族にも友人にも言えないお話“が聞けた瞬間です」と即答してくれた。

「保険のお話をするときは、目の前にいらっしゃる方に『中西は信頼できる、ずっと付き合っていける人間だと感じていただけたら、ご契約をお預かりさせてください』とお伝えします。もしそうでなかったら、担当者は私じゃないほうがいい。保険は、お付き合いで加入するようなものではありません。“この人なら担当者として信頼できる”と思っていただけたら、長いお付き合いがしたい。だからこそ、私を信頼してくださって、誰にも言えないようなお話を伺えたときは、“自分らしく働けているな”って嬉しくなりますね」

そんなまっすぐな中西さんが「LPという仕事の醍醐味です」と話す、あるお客さまとのエピソードがある。

「ある方に保障の大切さのお話をしたときに、私の話に涙してくださったんです。『同じ話をしてほしい』と、ご家族をご紹介いただき、その方の妹さんの保険もお預かりすることになりました。妹さんは当時新卒くらいの年齢でしたが、お付き合いされていた彼を紹介してくださって、そこからお二人とのお付き合いが始まりました。その後ご結婚され、結婚式にも招待していただいたんです。これだけでもうれしいのに、私のお席がなんと親族席で(笑)。そこまで信頼し、身近に感じてくださっていたのだと、とても感慨深い経験でした。最近お子さんも生まれたのですが、妊娠中はお互いに相談事をしたり、マタニティトークを楽しんだり、ライフステージが変わるたびに連絡をくれる、私にとっては妹のようなお客さまです」

このインタビュー記事が出るころには、3人目のお子さんが生まれているはずだ。
中西さんは来春、3人のお子さんを持つママLPとして、また新たな1歩を踏み出していくのだろう。「まだ見ぬ新しい世界」を経験するために。

インタビュー・執筆:山口 真央(ヒャクマンボルト)
写真:梶 礼哉(studio.ONELIFE)