プルデンシャル生命(以下、プルデンシャル)には、ライフプランナー(以下、LP)として働く人がいる。LPはお客さまのもとへ足を運び、お話を伺い、その人の人生に寄り添いながら保険を提案する日々を送る、保険営業のプロフェッショナルだ。
そんなLPの中に、自分と自分の娘の夢に猛進し続ける人がいる。入社28年目の大ベテラン、川﨑太郎さん(以下、太郎さん)だ。愛娘の川﨑春花さん(以下、春花さん)は、2021年、高校卒業と同時に女子ゴルフのプロテストに合格。プロとして2022年には史上最年少でツアー優勝、そして新人王を獲得。女子プロゴルフ界で最も注目を集める選手の一人である。
太郎さんは、春花さんの幼少期からプロになるまで、全面的にサポートをしてきた。プロテスト時には数週間にわたるラウンドの付き添いも務めている。「プルデンシャルのLPだからできたことです」と話す太郎さんの働き方や、春花さんの今後、そして親子の間の「マイルール」を聞いた。
後編:営業成績1位を獲得できたワケ、父と娘の「My Rules」(←今回の記事はココ!)
太郎さんの「父としての顔」
「姉は中学でゴルフをやめてしまって。父は『娘をプロゴルファーにしたい』という夢を持っていたので、結構落ち込んでいるように見えました。父がかわいそうだし、私は続けようかなって(笑)」とおどけて話すのは、太郎さんの次女、春花さん。
高校ではゴルフの強豪校へ進学し、ゴルフ部の部長を務めた。各大会でも優秀な成績を残していく春花さんだったが、プロへの道を本気で考え始めたのは意外にも高校2年生の時だったという。
「部活も楽しかったけど、正直『プロゴルファー』ってすぐなれるもんだと思っていたんですよ。今考えるとちょっとナメすぎって思うんですが、本気になってから色々調べてみるとそう簡単じゃないことがわかって。『このままじゃいけない!』と一段ギアを上げて、ゴルフに対して真摯に取り組み始めたのは高校2年生のときですね。だいぶ遅いなって思うんですけど(笑)」
そんな春花さんのことを、太郎さんも全力で応援した。
「春花は僕にはなにも言わないんですが、当時は『スイッチが入ったんだな』と思えるような行動がありましたね。部活が終わって自宅に帰ってきてから庭で素振りをしたり、ラウンド後も自主的に練習していました。ああ、頑張ってるんだなって思いましたよ」と当時を振り返る太郎さん。
「ついでに言うと、僕は春花に対して『ゴルフの才能があるな』とはじめから思っていました。ゆくゆくはプロの道できっと活躍できるだろうと。そのためならなんでもしてあげたいし、全力で応援したいなと」。そうにこやかに話す。
太郎さんの“子煩悩”さは、春花さんが教えてくれたこんなエピソードからもうかがえる。
「そういえば先日、新幹線が停電で全線運転休止になってしまったんです。私はこの日、京都から東京に行かなくてはいけない用事があったので、もう本当に困ってしまって。父はやたらと心配してあれこれ調べ上げて、なんとか動いている便のチケットを取ってくれました。有難いと思う反面、ちょっと心配しすぎかなって思うところもありますけど(笑)」
父自らが見せた「1位を取る」ということ
春花さんに、普段の太郎さんの様子を聞くと「うーん、普通ですかね」と一言。
太郎さんが「普通ってなんだよ!」と掛け合うほほえましい姿も見られたが、そんな会話の中で春花さんが教えてくれたのは、「普通だと思ってたけど、実はすごい人なんだってプルデンシャルの人たちが教えてくれたんです」ということ。
先述のとおり、太郎さんは2012年、プルデンシャルで最も大きな営業コンテストにおいて、年間の営業成績1位を獲得している。その表彰式には、太郎さんの家族も同席していた。
当時、春花さんは9歳。「表彰式で、いろんな人が『お父さんは努力の人。本当にすごいんだよ』って幼い私に話しかけてくれるんです。今まで当たり前にともに生活してきた父ですが、ああ、父はすごく努力していて皆に尊敬されるすごい人なんだって、幼いながらに感じるようになりました」と春花さんは当時のことを振り返る。
幼い娘に「すごい人」と思わせた父の背中には、太郎さん自身の努力と葛藤があった。
本来、あまり人前に出るのが好きではなく、どちらかと言うと1位を取るよりも万年2位を取り続けたいタイプの性格だという太郎さん。
「ある時ふと思ったんです。今後娘がより頑張って、大会での優勝やプロゴルファーを目指すようになったら、万年2位の私では『もっと頑張れ』と言っても説得力がないな、と」
「娘に、『精一杯、全力で頑張ってこい』と言えるのかと自分に問いました。答えはNOです。ならば、私が全力で仕事に取組み、その姿を目に焼き付けてやらなくてはと思ったんです。1位を取るという目標を達成するためには、120%の努力が必要でした」
父と娘の「My Rules」
高校3年生の時、春花さんはプロゴルファーとなるため、プロテストを受ける。プレ予選、1次、2次、最終プロテストと駒を進めた春花さん。ここでも太郎さんは春花さんに常に付き添った。
「プロテストに限ったことではないですが、ひと月のうち半分は集中的に仕事をこなし、あとの半分は春花のラウンドや遠征についていくような働き方をしていました。あらためて、『プルデンシャルのLPでよかった』と感じる瞬間でしたね」と太郎さん。
そして2021年、春花さんは晴れてプロゴルファーとなった。その後は躍進を続け、2022年、最年少でツアー優勝を勝ち取り、新人王に輝く。
春花さんがインタビューに応じる姿は「スピーチでの言葉使いが美しく品がある」「堂々とした立ち姿が素晴らしい」などと各メディアやSNSで話題になった。
そこにはなにか、太郎さんと春花さんの間の約束事があるのだろうか。
謙虚であること
「約束ってほどでもないですが……」と切り出す春花さんだったが、最初に出てきた一言は「謙虚であること」。まさに太郎さんがプルデンシャルで体感した「すごい人であっても偉ぶらず、それが信頼を生み、全体をよくすることにつながる」に通ずる考え方だ。
「これは昔から父に教えられてきたことですが、『ちゃんとコーチの目を見て話を聞きなさい』『人から可愛がられる人になりなさい』と口酸っぱく言われていました」と春花さん。
人から愛されることで「運がついてくる」ことをよく経験した太郎さんだからこそ、娘に伝えられたことなのかもしれない。
120%の努力
太郎さん自身の仕事におけるMyRulesである「120%の努力」も、春花さんによく話すことだという。
「プロテスト前などは、この『あと20%』が成長に直接つながっていたことは春花も体験できていたと思います」と太郎さん。
春花さんも、「『あともう少し頑張ろうかな』と思えたからこそ、プロテスト合格につながったんだと思います」と話す。
家族が第一優先
「これは私(太郎さん)が意識していることですが、仕事の会食と春花のゴルフの予定が重なりそうなとき、私は春花のゴルフを優先します。家族のための『Free to Work』ですから、これがブレることはありません」
プルデンシャル入社時、120%の努力でネットワークを広げてきたからこそ今がある。「家族を優先する」という軸がブレることはなく、現在も春花さんをサポートし続けている。
プロゴルファーという夢の、「その先」へ
プロゴルファーとして注目を集め躍進する春花さんだが、ひとつの夢があるという。
「ずっと先の話ですが、将来的には、なにか社会に貢献できるようなことをしてみたいなって思っているんです」と春花さんは目を輝かせる。
「少し前に、大会の副賞で東京のプラネタリウム施設の貸し切り鑑賞をいただいたことがありました。せっかくの機会だし、とても素敵な副賞を有効に使いたいと思って、父に相談しました。父は、『普段はプラネタリウムに行けない子どもたちにプレゼントするのはどうか』と。それで、父の力も借りながら、児童養護施設で暮らす子どもたちをプラネタリウムに招待するイベントを2023年2月に開いたんです。その時の経験がとても自分の心に残っていて、もっと手を広げられたら素敵だなって」
そんな春花さんの夢に向かって、親子の間の合言葉は「だからこそ、今はゴルフを精一杯頑張ろう」だ。「川﨑春花」という人間の価値をもっと高めていくことができたら、今後ゴルフ以外のことにももっと貢献できる。
「言うまでもありませんが、当分の間はゴルフに集中します!」と春花さんはまっすぐな目で答えてくれた。
プロゴルファーとしての活躍に社会貢献、とても大きな夢を抱く春花さんだが、それを突き動かす原動力はどこにあるのだろうか。
「自分でも最近気づいたんですが、『しんどい時』に支えてくれる人がたくさんいるんです。家族ももちろんですが、学校の先生や友達もみんな応援してくれる。一人で頑張らず、そんな人達に頼ることってとても大切だなと思ったんです。『しんどい時』って長くて辛いものに思えるけれど、ずっとマイナスになり続けることはありません。いずれプラスに転じることを信じて、周りに頼りながらも前を向いて頑張ることが大事だと思います」と春花さん。
その根本は、父・太郎さんが持っている「考え方」の面が生きている。
「私自身が仕事で『営業成績1位をとる』と強く決意した時、考え方と行動が変わりました。『1位をとりたい』じゃなく、『とる』なんです。考え方ひとつで、自分も、周りの流れも変わっていく。この考え方はきっと娘にも伝わっている部分なのではないかなと思っています(太郎さん)」
太郎さんと春花さんは親娘であるだけでなく、互いに影響し合う関係を保っている。これこそ、親子で更なる高みを目指していける秘訣なのかもしれない。礼節を重んじ、己を信じることを信条として、太郎さんと春花さんの親子の夢は新しいステージに向かっていく。
執筆:鈴木 里菜
インタビュー・編集:山口 真央(ヒャクマンボルト)
写真:梶 礼哉(studio.ONELIFE)